バイヤスドルフ(BEIERSDORF AG)の2017年12月期決算は、売上高が前期比4.5%増の70億5600万ユーロ(約9102億円)、EBIT(利払前・税引前利益)が同7.2%増の10億8800万ユーロ(約1403億円)、純利益が同5.2%減の6億8900万ユーロ(約888億円)と増収減益だった。同社は減益の主な理由に、前年の一過性利益の反動、為替差損、そして財政投資の損失を挙げた。
ビューティ関連商材を扱うコンシューマー部門の売上高は、同3.4%増の57億9900万ユーロ(約7480億円)、EBITは同6.27%増の8億8100万ユーロ(約1136億円)で、とりわけ第4四半期が伸長したという。EBIT率は前年より0.4ポイント改善し、15.2%だった。
ブランド別に見ると、高級化粧品「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」が同11.5%の2ケタ成長で、「ニベア(NIVEA)」が同4.5%増、皮膚科医推奨のスキンケア「ユーセリン(EUCERIN)」が同3.4%増など、軒並み好調だった。
地域別では、上半期に売り上げが低迷していた欧州が同2.2%増と回復し、東欧が同3.8%の伸びを見せた。北米・中南米は同4.0%増で、とりわけ南米が同5.5%増と好調。アフリカ・アジア・豪州地域は中国が押し上げ、同9.2%増で着地した。また、デジタル戦略の一環で注力してきたeコマースの売り上げが目覚ましく、例えば米国では、アマゾンを含むオンラインショップの売り上げが同40%増と躍進。「ラ・プレリー」は米売り上げの20%がeコマースによるものだった。
一方で、「テサ(TESA)」を扱う接着剤部門の売上高は、同9.8%増の12億5700万ユーロ(約1621億円)となった。
同社の18年の業績見通しは、コンシューマー部門の売り上げが前年比4~5%伸びるとし、グループ全体で同4%増を掲げ、利益は急速に回復すると見込む。ステファン・ハイデンライヒ(Stefan Heidenreich)最高経営責任者は、「フレキシブルで非常に効率の良い事業経営が成功のカギ。18年度も自信を持って取り組み、業績ついては楽観している」と述べた。