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アダストリア18年2月期営業利益は66.4%減 値下げ販売が痛手に

 アダストリアの2018年2月期は、売上高は前期比9.4%増の2227億円、本業のもうけを示す営業利益は66.4%減の50億円だった。増収は、ブランドの世界観を明確に表現したライフスタイル業態の「ニコアンド(NIKO AND...)」「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」「ベイフロー(BAYFLOW)」の好調による。一方で、基幹ブランドの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」や「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」は、MDやサービスの仮説検証が十分でなく、既存店売上高がマイナスし、収益の足を引っ張った。また、頻繁なセールの実施や、客のニーズをとらえきれなかった商品の在庫消化のための値下げ販売を推し進めたことで、売上総利益率は54.2%と2.1ポイント悪化した。さらに、10周年を迎えた「ニコアンド」を中心に宣伝広告費の上昇や、店舗増に伴う人件費増加などによる販管比率も上がり、利益を圧迫した。米国ベルベット社ののれん等減損損失や香港・中国の事業整理などによる特別損失約48億円を計上した。

 EC売上高は同17.3%増の333億円と順調に推移した。EC化率は16%で、その内自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」が8.6%を占めた。「.st」の会員は前期末比140万人増の700万人と右肩上がりで増加している。福田三千男・会長兼最高経営責任者(CEO)兼社長は、「テクノロジーを積極的に取り入れ、ライフスタイルを創造する企業であるために、今期からオムニチャネルを本格始動する」と話した。そこで「.st」において、全国1300の店舗網を活用した会員の獲得、ポイント付与率の増強、会員登録手続きの簡略化などを計画し、新規会員獲得の加速と既存会員の活性化を推進する。

 グループの期末店舗数(EC店舗含む)は純増31の1275店舗。国内の既存店売上高は同2.9%増だった。主力ブランドの売上高は「ニコアンド」が同15%増の284億円、「スタディオクリップ」が同9.3%増の243億円、「グローバルワーク」が微増の393億円、「ローリーズファーム」が同8.4%減の235億円。不振に終わった「ローリーズファーム」は、今期からロケーションに合わせたブランディングを図り、10代のターゲット層を20代、30代へと上げ、顧客の呼び戻しを行う。

 海外事業においては、ブランドの世界観を表現することに苦戦した複合業態の「コレクトポイント」を大幅に縮小し、香港と中国事業の再構築に着手する。

 今期(19年2月期)は売上高が同1.9%増の2270億円、営業利益が同67.8%増の84億円、純利益は同409.4%増の44億円を予想する。

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