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老舗服地卸の瀧定大阪がスタイレムに社名変更 体制も一新

 1864年創業の老舗服地卸、瀧定大阪は2019年2月1日付で社名をスタイレム(STYLEM)に変更する。主力の服地卸事業を運営するスタイレムを瀧定大阪本体に吸収後、本体の社名をスタイレムに変更する。瀧隆太・瀧定大阪社長は「歴史を積み重ねてきた社名を変更するという重みは感じている。だが、過去には海外で社名を取り違えられて、他社の注文がこちらに来てしまうというようなこともあった。未来に向けて発展するためにも社名を変更するという決断に至った。これまでのスピリットは引き継ぎながら、新しい歴史を刻みたい」と語った。すでにイタリアやインド、香港など、この数年設立した海外子会社はスタイレムという社名になっていた。

 瀧定大阪は2013年にコーポレートブランドとしてスタイレムを名刺などに使用。15年2月には新設したスタイレムに、主力の服地卸とOEM事業を移管していた。一方、17年1月期に為替デリバティブで221億円の損失を計上し、それまで積極的に進めていたブランドや小売り事業の大幅な縮小に踏み切っていた。18年1月期には、「オリーブ・デ・オリーブ(OLIVE DES OLIVE)」「シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」などのブランド/小売り事業を売却していた。

 4月20日の株主総会後に瀧社長はスタイレムの代表取締役会長に就任し、酒向(さこう)正之スタイレム社長とともに服地卸とOEMを柱とする事業に経営資源を集中する体制を整え、来年2月1日からは新体制と新社名でスタートする考え。

 瀧定大阪は、1864年に瀧定助が名古屋で瀧定を創業。その後01年に、名古屋を拠点としてメンズに強い瀧定名古屋と、大阪を拠点として婦人服地と輸出に強い瀧定大阪に分社化していた。いずれも国内の服地卸の圧倒的リーダー企業として日本のテキスタイル産業をけん引してきた。08年に社長に就任し、組織改革やIT化の推進、海外と新規事業の拡大などを指揮してきた瀧社長は、「直近の18年1月期には海外事業で100億円を稼ぐようになり、製品取引が拡大するなど、取引先や事業の中身は大きく変わっている」と語り、今後は海外事業の拡大に注力していく方針だ。

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