スマイリーなどの絵文字をモチーフにしたニューヨーク発ジュエリーブランド「アリソン・ルー(ALISON LOU)」のアリソン・ルー・シュムラ(Alison Lou Chemla)が3月、トランクショーのために来日しました。「アリソン・ルー」は2012年にニューヨークで誕生し、日本ではアッシュ・ぺー・フランス ビジュー(H.P. FRANCE BIJOUX)で販売されています。今回の来日では、アルファベットを自由に選べるビスポークコレクションが登場しました。名前や好きな言葉をジュエリーにして身に着けられるというものです。来日したアリソンに、ジュエリーやブランドについて話を聞きました。
生粋のニューヨーカーによるジュエリー
アリソンは、「幼いころから、いつもジュエリーを身に着けていた。『これがいい、あれがいい』って自分の好みにはうるさかったわ」と話します。インタビュー当日もリングやバングルの重ね着け、耳にはシグニチャーのエナメルのフープイヤリングと、ジュエリー好きと一目見て分かるコーディネートでした。エキゾチックなルックスの彼女ですが、生粋のニューヨーカー。「ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちよ。父親がチュニジア系フランス人だからフランスにはよく行ったわ」とアリソン。ブランド名の“ルー”は彼女のミドルネームだそうです。ニューヨークの大学でグラフィックデザインや美術史を学び、インターンシップを経て24歳の時に自身のブランドを立ち上げました。
絵文字の気分を表す気軽なコミュニケーションツール
アリソンは、「彼氏や友達とメールする時に最後にスマイリーなどの絵文字を付けるでしょ。絵文字はその時の気分を表す気軽なコミュニケーションツール。それを、ジュエリーにしたら面白いと思ったの」と言います。キャッチーなモチーフでありながら、使用している素材は18金やダイヤモンド、天然石でれっきとしたファインジュエリーです。中にはイタリアでの休暇から着想を得た“マンマミーア(MAMMA MIA)”シリーズや、ゲームのモノポリーをモチーフにしたものもあります。
「『アリソン・ルー』は遊び心とラグジュアリーが融合したブランド。ファインジュエリーにこだわるのは、本物だと人は大切にするから」。シグニチャーのエナメルに関しては、「パントン(PANTONE)からセレクトしている。カラフルで一目みて分かるし、集めたくなるでしょ。装いのアクセントにもなるわ」と言います。ベストセラーはカラフルなエナメルの片耳ピアスやミセスリング。「絵文字がテーマだけど、自然やあらゆるものがインスピレーションになる。中にはコンセプチュアルなものもあるわ」。デザインはコンセプトからスタートしてスケッチに落とし込むそうです。「クリエイションの過程は全部好き。新しいデザインをするのもワクワクするし、生産工場に行くのも、自分で着けたり人の反応を見るのも楽しい。全てのジュエリーはメード・イン・ニューヨークよ」。
ミレニアル世代による新しいラグジュアリーの提案
ポップな絵文字のジュエリーのブティックというと、ニューヨークではソーホーなどダウンタウンをイメージしがちですが、「アリソン・ルー」のブティックはアッパーイーストにあるそうです。アッパーイーストは富裕層が住むエリアですが、彼女自身はイーストビレッジに住んでいるそうです。アッパーイーストに出店した理由を聞くと「クラシックなジュエリーはすでに持っているショッピング好きの女性が多いから。親子で遊び心のあるジュエリーとミックスして楽しんでくれる顧客もいるわ。幅広い年齢層に人気よ」と言います。「アリソン・ルー」のジュエリーは女性が自分で選んで購入するケースがほとんど。「ジュエリーは男性が贈るものから女性が自分のために購入するものになったわ。もちろんブライダルリングは別だけど」。「アリソン・ルー」には“ガールパワー”という女性を表す絵文字のジュエリーもあり、その収益の3割はチャリティーに寄付しているそうです。アリソン自身がミレニアル世代ということもあり、フレッシュな感性が反映された次世代のラグジュアリーを感じさせられました。