「無印良品」を展開する良品計画の2018年2月期連結決算は、本業のもうけをしめす営業利益が前期比18.3%増の452億円と7期連続増益を達成した。売上高に相当する営業収益は同13.9%増の3795億円だった。昨年から実施している価格の見直しやアイテム数の絞り込みなどが奏功し、衣料・雑貨のプロパー消化率が向上。衣料・雑貨の粗利益率は5.2ポイント改善した。
国内事業の営業収益は同8.8%増の2347億円。3~4割を占める衣服・雑貨が同13%増とけん引した。紳士ウエアやウールシルクといった天然素材を使用したアイテム、リピーターの多い靴下や下着類、パジャマなどの価格見直しが奏功し、集客につながった。生活雑貨においては、ヘルス&ビューティが同20%増と売り上げに貢献した。化粧水を中心としたスキンケアシリーズやアロマ関連商材、戦略商品のタオルやスリッパが好調に推移した。食品では、“バターチキンカレー”を筆頭に、レトルトカレーなどが引き続き人気を集めた。
海外事業の営業収益は同23.1%増の1447億円。アジア圏では中国の所得水準の上昇に伴い、長らく課題にしていた家具類の売り上げや衣服・雑貨が伸長した。新規出店を積極的に行った台湾と韓国も既存店2ケタ増と好調だった。欧米は、引き続き赤字で終わったが、今期は不採算店の改善など事業再構築をし、黒字を計画する。アセアンでは主力のシンガポールが既存店割れとなったが、マレーシアが好調に推移した。
EC事業では売上高が同3.9%増の181億円だった。今年の2月にスマートフォンアプリ「MUJIパスポート」に直接商品を購入できるシステムを導入。今後、同アプリを通じたマーケティング活動によって既存顧客の深堀りと新規顧客獲得を狙う。
店舗数は、国内が419店舗、海外が457店舗と初めて海外が国内を上回った。特に中国での認知が拡大し、「中国において『無印良品』の時代がやってきた」と松﨑曉・社長。今期は海外505店舗を目指すが、最大の売り上げを誇る中国においては30店舗の出店と20店舗のリニューアルを行い、利益拡大を期待する。
20年度を最終年度とする中期経営4カ年計画では、適時適量の商品仕入れをさせるグローバルサプライチェーンマネージメントを向上させる。「次世代のITシステムを導入し、顧客・会計領域のシステムを構築させる」と話す。また、今期も引き続き商品価格の見直しを推し進める。