ファッション

アローズが障がい者、高齢者らの“1人の悩み”から生まれたレーベルをスタート

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS以下、UA)とソーシャルユニット、ソーシャルウィノベーターズ(SOCIAL WENNOVATORS)は、ファッションレーベル“ユナイテッド クリエーション 041 ウィズ ユナイテッドアローズ(UNITED CREATIONS 041 WITH UNITED ARROWS LTD.)を立ち上げた。4月12日から、第1弾商品6アイテムの受注を、インクルーシブデザインの発想で世の中を変えていくプロジェクト“041(オーフォアワン)”のウェブサイト内で開始した。

 ソーシャルウィノベーターズは、日本テレビ、電通、ジャパンギビングに属する社会起業家たちが垣根を超え、“WE”の力で社会課題と向き合っていくソーシャルユニットで、2016年秋に041プロジェクトを発足。インクルーシブデザインは、高齢者、障がい者、外国人など従来のマーケティングやデザインの過程で除外されてきた人も含め、1人の人を起点にした、新しい商品やサービスを創造していく考え方。

 今回のレーベル誕生について、ソーシャルウィノベーターズの澤田智洋は、「高齢者や障がい者らにとって、着脱やサイズ、素材、デザインなど服において困っていることが多い。そこでオールフォーワンファッションをスタートしたいと思った」と語る。栗野宏文・上級顧問は、「ファッションを通じて社会貢献をするということではなく、これはビジネス。これまでお届けできていなかった人に快適な服を届けるということだ。障がい者などにも当然便利になってほしいが、そうじゃない人も着られる、楽しめる洋服を提供する」と意気込む。加えて、「今回のレーベルの立ち上げにより、新しいアクセスのチャンス、少ロット生産や、利便性、動きやすさなどを考慮するモノ作りなど、当社がこれまでできなかったことにチャレンジする機会が与えられた」と語った。

 アイテムは6アイテム。筋ジストロフィーの加藤真心ちゃんを起点にした、よだれかけとしての機能を担保しつつ、デザインにもこだわったスタイにもなるエプロンドレス(5000円)や、頸髄損傷の関根彩香さんを起点にした、フレア着用時でもお尻にフィットし座ったままでも快適なフレアスカート(1万6000円)、四肢機能障害の菊池亮さんを起点にした、快適なスラックスでありながら、ジップにより開口部が大きくなり着脱・トイレも楽にできる3ジップパンツ(1万6000円)など。一定数量の受注で生産する。

 栗野上級顧問は、「ファッション業界は今、曲がり角であり閉塞感があり、楽しいことがないと言われているが、そういう時代ではない。流行っているとか、有名ブランドとかではなく、自分にとって大事かどうか。ファッションに新しい価値基準をもたらすだろう」と語った。

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