クリエイターと消費者をつなぐクラウドソーシングサービス「ソフ プロジェクト」を運営するSPRING OF FASHIONが23日、一般ユーザーに向けた撮影用のファッションレンタルサービス「Sof Grammars」を開始した。雑誌やメディアではなく、インスタグラムへの露出をメーンに、一般ユーザー、特に美容師らの利用を狙う。
一般ユーザー向けの月額300円プラン(1回1着)と、クリエイター向けの月額5800円プラン(1回3着)の2種類を用意。一般ユーザーはショールームで洋服を選び、80分間自由に撮影などを行うことができる。クリエイター向けのプランでは1泊2日のレンタルが可能。また、1着1000円から利用ができるアイテムごとの課金制度も設ける。
貸し出すアイテムはウィメンズのみで、アイテムの平均単価は3万円。まずは「トーガ(TOGA)」や「エルザ・ウィンクラー(ELZA WINKLER、5月以降の展開予定)」など6ブランドでスタート。今後半年間で取り扱いブランドを倍増する計画だ。まずは同社が運営する「ソフ プロジェクト」に登録のあるクリエイター1500人に利用を促す。
保坂忠伸・社長は「現状のアパレルでは展示会・小売を通じた商品の流れと、プレス・メディアを通じた情報の流れがあるが、それぞれ時代にあった流通方法はなかった。われわれが運営する予約販売型のECサイト『ソフ デザイナーズ』では、顧客とブランドを直接つなぐ新しい商品の流れを作った。今回の新サービスでは、SNSを介して一般ユーザーがブランドを紹介する新しい情報の流れを作りたい」と意気込む。
これまで個人のデザイナーズブランドはメディアへの掲出にあたって、PR会社やメディアを通じて消費者に訴求するのが通例だったが、同サービスではブランドと一般ユーザーを直接マッチングし、SNSなどで訴求をしてもらうことが可能になる。しかし、一方で、誰でも商品のレンタルができるため、ブランドとしては商品の掲出先やビジュアルのクオリティー担保は難しくなる。これについて保坂社長は、「そもそも購入者がSNSに投稿する画像のクオリティー担保はできないもの。あくまで誰もが気軽に借りて、ルックブックとは異なるリアルな投稿をしてもらうことに意味がある」と話す。