ウエディング事業を手掛けるエスクリが今秋、結婚式場とコワーキングスペースを組み合わせた新施設「ラグナヴェール アトリエ(LAGUNAVEIL ATELlER)」をオープンする。場所は東京・渋谷で、「ホテル コエ トウキョウ(HOTEL KOE TOKYO)」が入るビルの上層部5〜9階。同施設では式場施設のさらなる有効活用を実現すべく、シェアスペース運営を行うMJEと提携し、5階待合ラウンジを挙式の予定がない日限定で女性専用の会員制コワーキングスペースとして6月から開放する。施設ロゴは2017年11月から同社のアートディレクターを手掛ける森本千絵が制作した。
大知昌幸MJE社長は施設について、「結婚式場はハイスペックで好立地という条件にもかかわらず、挙式が土日祝日に集中するため、平日の空間活用が可能だと感じていた。コワーキングスペースのテーマは“コミュニティー&ワークプレイス”。女性が活躍する拠点となることを目指し、セミナーやスクール、企業支援などを実施していきたいと考えている」とコメントする。
渋谷守浩エスクリ社長は、「結婚式の規模がどんどん小さくなっていると言われるが、ウエディング市場は1兆4000億円といわれ、統計的にみればそれほど落ち込んではいない。当社はテイクアンドギヴ・ニーズやツカダ・グローバル ホールディング、ワタベウェディングに次ぐ国内4番規模だが、まだまだガリバー企業がいないため、さらなる成長が可能だと考えている。だからこそ、これまでもサンリオとのコラボやオフィスビルへの出店など、攻めた事業を展開してきた。これからもさまざまな可能性を探りたい」と意気込む。場所の選定については、「渋谷は若者が集まる街。ウエディング業界としては少し不安が残る場所で出店をする企業も少ないが、大規模な再開発を行うこのタイミングだからこそ、最先端の出店をしたかった」と答えた。
エスクリは03年創業。結婚式場の運営をはじめ、レストランやブライダルサロンの運営などを手掛ける。現在は24カ所に施設を構える。17年3月期決算の売り上げは294億円。4月には訪日客の“インバウンド婚”ニーズに応えるためのアジア拠点ESCRIT Taiwanを設立し、中華圏全域への訴求を狙う。