ファッション

繊維大手の帝人フロンティアがスマートウエアに本格参入 2025年に売り上げ100億円目指す

 繊維商社の帝人フロンティアは、スポーツ計測のベンチャー企業スポーツセンシングとの合弁会社、帝人フロンティアセンシングを設立する。新会社の資本金は5000万円で、帝人フロンティアが90%、スポーツセンシングが10%を出資。社長には澤田泰輔スポーツセンシング社長が就く。帝人フロンティアの日光信二・社長は「この分野は進化のスピードが速く、多彩な企業との連携が必要になる。今後はこの帝人フロンティアセンシングをIoTウエアのプラットフォームに、ファッションテックなどのスタートアップ企業と出資も含めた提携を積極的に進めていく」と語り、“スマートウエア”に本格参入し、2025年に売上高100億円を目指す。

 帝人フロンティアは17年に関西大学と共同で圧電繊維と組紐(くみひも)技術を融合した画期的なセンサーテキスタイルを開発しており、スマートテキスタイルを活用した用途開発を進めていた。一方、スポーツセンシングは著名なスポーツ選手や研究機関と連携し、画像解析やモーションセンサー、無線通信技術を融合したセンサー機器の開発・販売を行っていた。スポーツセンシングの澤田社長は、「これまで電子機器では身体の動きと心拍を同時に計測することは難しかった。帝人フロンティアのテキスタイルセンサーを使えば飛躍的に精度も高まり、計測の自由度も高くなる。当社はデータの解析と無線技術に強みがあり、帝人フロンティアと組むことで、すでに多くの用途が見えている」と語り、20年の東京五輪を前に、スポーツ分野での拡大に向けてアクセルを踏む。

 帝人フロンティアは新会社を軸に、スポーツにとどまらずヘルスケアや過酷な環境下でのリモートセンサーユニフォーム、医療などへの応用を目指す。25年には帝人フロンティアセンシングで売上高20億円、スマートウエア事業で100億円を計画している。

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