ルーマニア出身のアーティスト、ミルチャ・カントル(Mircea Cantor)による個展「あなたの存在に対する形容詞」が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中だ。会期は4月25日から7月22日までで、個展を日本で開催するのは今回が初となる。
同個展では、カントル自身の指紋で描いた有刺鉄線や、透明なプラカードを持って人々が都内のあらゆる場所を行進する映像作品などの新作を披露する。有刺鉄線の作品についてカントルは、「昨今、生体認証というのは当たり前に用いられるようになった。空港では指紋を取られることで、他国に入ることができるようになった。つまり私たちの身体が国境の役割を果たしているようなものだということを表現した」と指紋で描いた理由を説明した。
ミルチャ・カントルは1977年、ルーマニア生まれ。パリを拠点に制作を続け、日常の世界がいかに複雑で不確かなものであるかを、写真や彫刻、映像、インスタレーションなどを用いて表現する。2005年に発表した映像作品「Deeparture」では、真っ白なギャラリー空間に1対のシカとオオカミを放ち、自然から隔絶された獣たちの不自然で危うい緊張関係を観察することで話題を呼んだ。
■「あなたの存在に対する形容詞」ミルチャ・カントル展
日程:4月25日~7月22日
時間:月〜土曜日 11:00〜20:00 / 日曜日 11:00〜19:00
定休日:会期中無休
場所:東京と銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:中央区銀座5-4-1 8階
入場料:無料