メルローズは、同社初のショールーミングストアをベースとする新たなセレクトショップ「サードマガジン(THIRD MAGAZINE)」をスタートさせ、ECを連動させた旗艦店を9月1日、代官山にオープンする。ブランドの立ち上げメンバーは、パルのセレクトショップ、ウィム ガゼット(WHIM GAZETTE)のディレクターを務めた祐宗摩稚子ディレクターと、同ブランドでプレスとバイイングを担当した中山彩子プレスの2人。30~40代の大人の女性をコアターゲットに、オリジナルとインポート、古着の日常着を提案する。
旗艦店は代官山駅から徒歩約10分の旧山手通りに面した路面店。面積約230平方メートルの店舗は主に商品のフィッティングサービスを提供し、購入希望商品はオンライン上で購入を促すフローだ。接客に力を入れ、店舗のスタッフには海外PRの経験者や、他ブランドで旗艦店の店長を務めていたなどの接客スキルを持つスタッフをパーソナルスタイリストとして起用。来店客のニーズをヒアリングした上でスタイリング提案を行う。基本は、ECのシステムで決済し、アイテムは自宅へ発送するが、“すぐ着たい、今持ち帰りたい”という来店客の希望に応えるため、店舗に少量の在庫を確保する。オンラインは自社ECのみで、現状ECモールへの出店は予定していない。店舗にはカフェとプレスルーム(2階)を併設する。
商品構成はオリジナルが70%、インポートが20%、古着が10%。買い付けアイテムは「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」やスケートブランド「キャナル ニューヨーク(CANAL NEW YORK)」など、デザイナーズからカジュアルまで幅広い。古着はTシャツやスカーフ、デニムなど、コーディネートアイテムとして提案する。「同質化を避けるため、従来のセレクトショップとかぶらないようなラインアップで買い付けている」と祐宗ディレクター。
また、ブランドのデビューを記念してスタイリストの亘つぐみとコラボしたカプセルコレクションも販売する。商品は“THIRD”のロゴを入れたTシャツ(9500円)やオーガンジーのシャツ(2万7000円)、シルクのオールインワン(4万5000円)、ジャケット(5万2000円)、ワイドパンツ(2万9000円)の5型。亘は「究極のシンプル。トラッドをベースにして、女らしさと大人らしさを出せるアイテム。このブランドは“スタイリング”が重要になるので、着方次第でエレガントやスポーツなどにも幅が広がるように意識した」と説明する。亘は今後、ブランドのスタイリングなどにも携わっていく予定だ。
武内一志メルローズ社長は「今までも店舗での接客を通して、お客さまに買い物を楽しんでいただくことを大切にしているが、少子化が進み、人手不足で優秀な人材を採用することが難しくなり、当社が全国に出店していくという考えは現実的ではなくなっている。今まで以上にパーソナルなコーディネート提案とECの利便性を融合して、最小限で採算がとれるようなビジネスに挑戦する。駅からも離れた立地なので、お客さまには店頭で多くの発見を得ていただき“来てよかった”と思ってもらえるような店にしていきたい。また、われわれが心から楽しいと思うものを提供し、新しいことにチャレンジしていくことが、アパレルメーカーの鮮度を上げるためにも大切なことだと感じている」と話す。
■THIRD MAGAZINE
オープン日:9月1日
住所:東京都渋谷区鉢山町13-16