ロレアル(L’OREAL)の2018年1〜6月期決算は売上高が前年同期比0.2%減の133億9070万ユーロ(約1兆7407億円)、営業利益が同1.7%増の25億7590万ユーロ(約3348億円)、純利益が同11.8%増の22億7660万ユーロ(約2959億円)と減収増益だった。
事業部別では、プロフェッショナル事業部の売上高が同6.2%減の16億3150万ユーロ(約2120億円)、コンシューマー事業部が同4.0%減の61億3680万ユーロ(約7977億円)、リュクス事業部が同5.9%増の43億9140万ユーロ(約5708億円)、アクティブコスメティックス事業部が同8.5%増の12億3100万ユーロ(約1600億円)だった。好調だったリュクス事業部は美容液「ジェニフィック」が人気だった「ランコム(LANCOME)」や「ミッドナイトボタニカル」ラインが人気だった「キールズ(KIEHL’S SINCE 1851)」が売り上げをけん引。メイクアップでは「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(GIORGIO ARMANI BEAUTY)」「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」などが好調だった。アクティブコスメティックス事業部は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」が売り上げ2ケタ増を記録した他、「ヴィシー(VICHY)」「セラヴィ(CERAVE)」「スキンシューティカルズ(SKINCEUTICALS)」が人気だった。
地域別では、西欧の売上高が同1.6%減の41億3410万ユーロ(約5374億円)、北米が同6.8%減の35億6440万ユーロ(約4633億円)、アジアパシフィックが同13.2%増の35億4810万ユーロ(約4612億円)、ラテンアメリカが10.4%減の8億8270万ユーロ(約1147億円)、東欧が同1.0%減の8億9940万ユーロ(約1169億円)、アフリカ・中東が同1.9%増の3億6210万ユーロ(約470億円)で、初めて北米とアジアの売り上げが並ぶ結果となった。中国を筆頭にアジアの業績が良く、特にトラベルリテールで売り上げを伸ばした。一方、北米ではマス向け市場が苦戦し、西欧はイギリスやフランスの低迷が影響した。
また、ECの売り上げは同36.4%増、トラベルリテールは同27.3%増だった。ジャン・ポール・アゴン(Jean-Paul Agon)会長兼最高経営責任者は「ビューティ市場はチャネルや地域によって業績が大きく異なるが、全体的に伸びているのは間違いない。中でも顕著なのがスキンケアの復活だ。われわれのメイクアップの売り上げは業界の平均並みだが、スキンケアは平均の約2倍のスピードで伸びている」と自信を見せる。「北米とアジアの売り上げが並んだのは大きな出来事だ。中国の勢いは止まることなく、今後も重要なマーケットとして捉えていく。今ではラグジュアリーブランドだけでなく『ケラスターゼ(KERASTASE)』『ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)』などのプロフェッショナル・マス向けブランドも置くようになったトラベルリテールの未来は明るく、間もなく全売り上げの約10%を占めるまでになるだろう。18年も業界のリーダーとしてトップの業績を目指す」と意気込んだ。