フリマアプリ「メルカリ(MERCARI)」を運営するメルカリが、上場後初となる2018年6月期の決算発表会を実施した。同社の18年6月期決算は、流通総額が前期比48.1%増の3704億円、売上高が同62%増の357億円だった。流通総額が大きく成長する一方で、ブランド認知向上のための広告宣伝費や積極的な採用による人件費、上場にともなう一時的なコストが増加したため、営業損失は前期の27億円から44億円に、純損失も42億円から70億円に拡大した。
日本国内に限った「メルカリ」の流通額は同49.5%増の3468億円で、売上高は同57.3%増の334億円。月間のアクティブユーザー数は18年3〜5月期が1075万と、過去最多だった。
カテゴリー別では、ウィメンズウエア関連が全体の取り引きの26%と最多で、エンタメ・ホビーが18%、メンズウエアが16%と続く。4年前に半数以上を占めていた女性関連カテゴリーの比率は今期39%で、ウィメンズ分野に依存せずあらゆるカテゴリーを成長させるという戦略が奏功した。
同社は今後の成長戦略として、日本事業の継続的な拡大の他、海外での「メルカリ」事業の成長、中長期的な“メルカリエコシステム”の構築を掲げる。“メルカリエコシステム”とは「メルカリ」のIDを軸に店舗や交通機関などのオフラインも含めた情報・サービス連携を広めるという考えで、独自決済手段である「メルペイ」が重要な役割を担う。また、8月末には子会社ソウゾウが運営する「メルカリNOW」「ティーチャ(teacha)」「メルカリ メゾンズ」の3サービスを終了し、人材の再配置を行う計画だ。
同社は今年6月19日に東京証券取引所マザーズへ上場。株価は初値が5000円、初日終値が5300円。終値で計算した上場初日の時価総額は約7170億円だった。決算発表当日の8月9日の終値は4735円。