「コーチ(COACH)」などを擁する米タペストリー・インク(TAPESTRY INC.)の2018年6月期決算は、売上高が前期比31.0%増の58億8000万ドル(約6468億円)、営業利益は同14.8%減の6億7080万ドル(約737億円)、純利益が同32.7%減の3億9750万ドル(約437億円)の増収減益だった。17年7月に買収したケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEWYORK以下、ケイト・スペード)分が売り上げに加わった。
ブランド別に見ると、「コーチ」の売上高は前年並みの42億2150万ドル(約4643億円)、「ケイト・スペード」は12億8470万ドル(約1413億円)、「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」が前年並みの3億7380万ドル(約411億円)だった。
7月10日にトランプ米政権が、ハンドバッグやアクセサリーを対象品目に含む2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に関税を追加する方針を発表したが、ビクター・ルイス(Victor Luis)最高経営責任者(CEO)によると、タペストリーはすでにサプライチェーンの多様化を進めており、中国で生産している製品はハンドバッグやアクセサリーの中で3~4%にすぎないという。また、中国市場を重要視しつつも、インド、中東、南アメリカを販路の拡大先として見据えているという。
ジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)=コーチ社長兼CEOは「ブランドアンバサダーであるセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)の存在が北米の売り上げに良い影響 を与えた。特に300~400ドル(約3万3000~4万4000円)台の製品の売り上げが伸びた」とコメントし「今秋のコレクションでは中国人セレブリティー2人をアンバサダーに起用しており、12月に上海で初のショーを開催する」という。