オークションハウスであるサザビーズジャパン(SOTHEBY’S)の社長に、石坂泰章氏が9月初旬に復帰する。同氏は2005~14年にサザビーズジャパンの社長を務めた後、自身のアートアドバイザリー会社を設立。前澤友作スタートトゥデイ社長の現代芸術振興財団の評議員や国内主要私立美術館のアドバイザーを兼務し、東京藝術大学のアートビジネスの非常勤講師を10年以上務める他、アートビジネスに関する執筆活動も行っている。前澤社長はじめ、主要な日本人コレクターと強いつながりがあり、彼らの多くをオークションに導いた人物だ。
石坂氏は三菱商事に7年間勤務後、1987年に美術業界に転身し、自身のギャラリーを開設。ドイツ人のジグマー・ポルケ(Sigmar Polke)らのアーティストを日本市場に紹介した他、ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)や草間彌生、アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)、ゲオルグ・バゼリッツ(Georg Baselitz)ら主要アーティストの作品を日本の国立美術館に収め、1990年代には企業によるアメリカ現代美術のコレクションの構築に尽力した。
タッド・スミス(Tad Smith)=サザビーズ最高経営責任者は、「日本は、東洋と西洋のコレクションが最も集積している地の1つ。また、世界で最も洗練された美術、宝飾、ワイン、車のコレクターも存在する。アキ(石坂氏)の就任により、さらなる成長が期待される」とコメントしている。