75周年を迎えたスウェーデン発のイケア(IKEA)が今後の店舗計画として、東京都心への出店を示唆した。既存の郊外店舗とは異なる業態になるという。2019年度の事業発表会に登場したヘレン・フォン・ライス(Helen Von Rice)=イケア・ジャパン社長は、「多くの顧客がアクセスしやすい東京都心への出店はわれわれの計画に入っている。店舗サイズは十分家具を置ける広さになるだろう。今年のうちにいいニュースを届けられるはずだ。店舗は全ての基盤。(17年にオープンした)長久手店も大成功をおさめている」と語った。
一方、17年4月にスタートした公式ECサイトについても、すでにEC化率が5%に達する勢いであることを明かした。「われわれは変化の時代に生きている。リテールにとってはエキサイティングな時代。3年間でビジネスを大転換したいと考えているが、その一つが“もっと手軽なイケアを提供すること”。24時間いつでも購入ができるECサイトには今後も注力したい」とヘレン社長。あわせて業績についても、「18年度はポジティブな成長になりそうだ。オンラインの成長が目覚ましいこと、店舗とECの融合がうまくいった成果だ」と話した。
19年度の商品ラインアップについては、まず過去に販売された人気アイテムを復刻する“GRATULERA”ラインを発表。 イエローのキャリーバック(275円)をはじめ、チェアやコーヒーテーブルなど、8、10、12月に分けて年代ごとに復刻アイテムを発売する。その他、すでに発表されている「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」を手掛けるヴァージル・アブローや「アディダス(ADIDAS)」「レゴ(LEGO)」など、さまざまなコラボアイテムについても発売を約束した。「ビジネスの理念はずっと変わらず、“幅広い機能的な製品を手ごろな価格で提供する”こと。形と機能性、品質、サステナビリティー、低価格という5つの要素をそろえるデモクラティックデザインという考えのもとで商品を作り続けている」。