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「メルカリ」の模倣品出現率は1%未満 出品を監視するブランド専門対策チームの仕事とは

 世間の消費動向が大きく変化している。古くから続くオークションサイトや、現在はフリマアプリの相次ぐ出現で“買って売る”というサイクルが一つの選択肢として定着してきた。事実、「WWDジャパン」9月3日号のリセール特集に関連して実施した、公式ツイッターと街頭で約1500人を対象に行った調査によると、20~30代の男女の7割以上がファッション系アイテムを買って売るという行為を繰り返しているという。

 この流れを作った代表的なプラットフォーマーの一つがメルカリ(MERCARI)だ。今年6月に東京証券取引所マザーズに上場した同社が発表した2018年6月期決算によると、流通総額が前期比48.1%増の3704億円、売上高が同62%増の357億円だった。

 彼らプラットフォーマーを悩ませる要因の一つが模倣品の流通だ。模倣品が自社のプラットフォームで流通することは、利用者や権利者(商標権などの権利を有しているブランドや企業)の信頼性の低下に直結する。メルカリはその対策として、仙台に拠点を置くカスタマーサポートの中に、2016年秋にブランド専門対策チームを結成し、東京オフィスの法務部と協力して模倣品の撲滅にあたっているという。その実態とは。

WWD:ブランドに特化したチームを立ち上げた経緯は?

熊谷拓郎メルカリCSグループ ブランド・権利チームリーダー(以下、熊谷):商品全体を監視するチームが一つあって、その中で数人のメンバーがブランド対応をしていた状態がしばらく続いていました。出品数が増加する一方で模倣品販売の手口も巧妙なものが増え、より専門的な監視対応の必要が出てきたことから、2016年秋ごろにブランドに特化したチームを結成しました。

WWD:対策チームの人数は?

熊谷:カスタマーサポート自体は現在400人前後が在籍しています。その中で20人弱ぐらいがブランドに特化して監視をしています。

WWD:模倣品だと判断するまでの流れは?

上村篤メルカリIPリーガルグループ マネージャー(以下、上村):まず、利用者や権利者からの通報や、われわれが設定したキーワードを使用して出品されたアイテムのうち、模倣品と思わしきものを抽出します。抽出したアイテムについて、熊谷がいる仙台のチームが確認して、出品を取り下げるかどうかの判断を行います。

熊谷:ブランドの模倣品を出品する際に使用されがちな文言を自分たちで分析して、自主的に巡回して監視するシステムも作っています。

WWD:キーワードを自動的にピックアップするシステムを構築している?

熊谷:そうですね。基本的には人の目を通しますが、蓄積されたデータをもとに監視を行っています。最近はやっている言葉だと、ブート品という言葉などがあります。

WWD:他に模倣品を販売するアカウントの特徴はある?

熊谷:一概には言えませんが、評価が少ない状態で高額な商品を多数出品しているアカウントや、日本語がカタコトなユーザーは、模倣品を作っている外国の業者が日本人を装って販売をしているケースもあるので注意が必要です。あとはブランド品を相場よりもはるかに安い価格で販売している場合も注意した方がいいです。

WWD:昔は一目見ただけで模倣品と分かるアイテムも多かったが、現在は質の高いものもある?

熊谷:そうですね。価格帯も以前に比べると、相場感をしっかりと把握した上での価格設定になっているものが増えてきている印象ですね。なので、一概に安いから、高いからという理由で模倣品かどうかを判断するのは難しくなってきています。

WWD:画像だけで判断できない場合はどうしている?

熊谷:おっしゃる通り、画像判断は難しい部分が多いですし、見分けがつかないものも中には存在しますが、そういったものに関しては権利者の力を借りるなどして真贋の判断をします。

上村:われわれのようなプラットフォームの会社や著作権の団体、ファッションで言うとハイブランドを傘下に持つ企業などが所属するインターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)という団体があります。ここでは権利者とプラットフォーマーが模倣品の情報を交換しています。

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