パリ市は、6区のラスパイユ(Raspail)市場近くの通りを2014年に84歳で亡くなった赤毛のデザイナー、ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)にちなみ、ソニア・リキエル通り(Allee Sonia Rykiel)と命名した。同通りは、パリのシェルシェ・ミディ通りとレンヌ通りの間にあり、ソニアが生活をし、働いていた場所からほど近い場所に位置する。また、29日には通りを閉鎖し、「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」の19年春夏パリ・コレクションのショーを発表した。
これは、ソニアが多くの功績を築いたパリの地に母の名を残したいと願った娘のナタリー・リキエル(Nathalie Rykir)の2年間の努力の結果である。娘のナタリーは「パリの左岸に母・ソニアの名前を残したい。それは彼女を表す重要かつ象徴的なもので、パリ市庁舎がこの願いを支持してくれた。素晴らしいことは、彼女の名前を永遠にパリに記せるということだ」と語った。
ソニアは、その功績に敬意を表してパリの通りに名付けられた初めてのデザイナーである。道路でショーを行うことのできるデザイナーはいるが、道の名前の由来になったデザイナーはいない。「ココ・シャネル(Coco Chanel)でもイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent )でもなく、ポール・ポワレ(Paul Poiret)やマドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)でも通りの名にはなっていない」とも娘は語っている。
「ソニア リキエル」を2012年に傘下に収めた投資会社ファースト ヘリテージ ブランド(FIRST HERITAGE BRANDS)のジャン・マルク・ルビエ(Jean-Marc Loubier)最高経営責任者(CEO)は、「ジュリー・ドゥ・リブラン(Julie de Libran)=アーティスティック・ディレクターが道路でショーを行うというアイデアを支持してくれた」と語った。
米「WWD」が「ニットの女王」と賞賛したソニアは、レジオンドヌール勲章や芸術文化勲章などの国家勲章フランスの有名なあらゆる賞を受賞した。ストライプやニット、スパンコール使いなどに象徴されるソニアだが、既成概念にとらわれない楽観的で自由な、フェミニスト精神とセーヌ川左岸のカルチャーを体現しているデザイナーだ。