H&Mは2019年から、英国とスウェーデンをはじめとする14市場に決済テクノロジー企業、クラーナ(KLARNA)のシステムを導入する。クラーナ自体にも投資する計画だが、金額に関しては明らかにしていない。
「このパートナーシップにより、顧客に合った支払いへの解決策を提案し、進化するショッピングの形とニーズに適応できるようになるだろう。さらに今日のファッションECに必要とされる“試着後払い”や、店舗でもオンラインでも公式アプリを通じての決済が可能になるだろう」とダニエル・クラーソン(Daniel Claesson)H&Mグループ ヘッド・オブ・ビジネス・デベロップメントは声明文で述べた。
今後、クラーナはH&Mの配送や返品の簡素化、実店舗や携帯電話、オンラインでの支払いも手掛けていく。また、デジタル・ロイヤリティープログラム、H&Mクラブの運営も担う。
時間のない消費者のための幅広いオンラインサービスにより、買い物客の争奪戦が激化する小売業は、サービス向上を強いられている。
「顧客はもはや手間をかけることはない。小売店はパーソナルかつシンプルな関係作りが必須だ」と、セバスチャン・シェミャートコフスキ(Sebastian Siemiatkowski)=クラーナ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は語る。
クラーナは2005年にストックホルムで設立。出資企業にはセコイア・キャピタル(SEQUOIA CAPITAL)やペルミラ(PERMIRA)をはじめ、金融サービス企業のVISAや、ファッション・グループのベストセラー(BESTSELLER)が名を連ねる。
「クラーナと協力し、より現代的なショッピング・サービスを提供していく」とH&Mのカール・ヨハン・パーション(Karl-Johan Persson)CEO。
売れ残り在庫で苦しんだH&Mは、サプライチェーンのスピードアップと巨大なネットワークを誇る実店舗でのサービス向上を目指し、全面的な見直しを実施している。