2015年に創業したアメリカ発のトラベルブランド「TSOG」が、8月から日本向けのECサイトを公開して本格上陸を果たした。ブランドのキーワードは“Connecting with Culture(カルチャーとつながる)”。創業者のカルロス・ズニーガ(Carlos Zuniga)が世界各地を訪れ、その土地や文化、人々から受けた刺激をバッグのデザインに落とし込んでいる。日本で購入できるのは全4ラインで、スイス、スペイン、米国の他、日本の京都にインスパイアされたアイテムが並ぶ。
家具やシューズのデザイナーとして経験を積んだズニーガの本業は、ファッションウオッチブランドのクリエイティブ・ディレクターだ。「(本業と自身のバッグブランドの両立で)寝る暇もない」と笑いながら語る。多忙にもかかわらず自身のブランドを続ける意味とその思いとは――。
WWD:ブランドのコンセプトは?
カルロス・ズニーガ「TSOG」創業者兼デザイナー(以下、ズニーガ):“カルチャーとつながる”というのがコンセプトだけど、僕自身、人と文化をつなぐことに強い関心を持っていて、それこそが自分のミッションだと思っている。他者を知るとことがとても好きで、他の国を訪れるとその国の人々を知りたいから意図的に人とつながろうと行動する。その人がどういうバックグラウンドを持っているのかということにとても興味がある。それがブランドを始めた理由でもある。
WWD:バッグのデザインは全てズニーガが訪れた土地が着想源となっているが、京都を選んだ理由は?
ズニーガ:京都は文化的な建造物がたくさんある一方、モダンでミニマルな建物も共存している。そのバランスが気に入った。バッグのデザインも同じく、全体的にモダンなデザインだけど、形自体は伝統的なバックパックの要素を残している。
WWD:次はどこを訪れる予定?
ズニーガ:12月にメキシコに行くから、そこでもインスピレーションを得られるといいと思っている。
WWD:本業としてウオッチブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めているが、同時に自分のブランドを立ち上げた理由は?
ズニーガ:「現状に満足せず、常に自分の限界を超えて目標を高く持つように」というのが両親の教えでもあったし、彼らもそういう働き方をしていた。その影響も大きいし、アメリカの文化自体にも“自分の限界を超えて頑張る”という部分があるから、その影響もある。アメリカでは本業の他にサイドビジネスをやる人も結構いるんだ。
WWD:その中でバッグを選んだ理由は?
ズニーガ:仕事で出張することが多くて、典型的な“リュック”みたいな、すごくダサいものを持ち歩いていたんだけど、「こんなの自分のスタイルじゃない!」と思っていたし、欲しいバッグもなくて、何か物足りなさを感じていた。その経験から、実用性も収納力も必要だけど、スタイリッシュなバッグを作りたいと思った。
WWD:現在はアメリカやカナダ、日本が中心市場だが、他に展開したい国は?
ズニーガ:アジアには大きなポテンシャルを感じている。シンガポールなど、アジアの国々はグローバルなマインドを持っている人が多い。僕のバッグはそういう人に受け入れられると思っている。僕が住んでいるテキサスはそういうマインドを持っている人が少なくてウケがよくないんだ(笑)。
WWD:今後の目標は?
ズニーガ:世界観を体験してもらえる実店舗をオープンしたい。あと、アイテムの幅を広げることでブランドを大きくしていって、最終的にはライフスタイルブランドにしていきたい。