駐日イタリア大使館は24日、2016年に功労勲章「グランデ・ウッフィチャーレ章」を受章した八木雄三・八木通商社長(76)の受章の祝賀式典を開催した。八木社長は1996年と2011年の2回の受章歴があり、今回のグランデ・ウッフィチャーレ章は、民間人が受章できる最高位の勲章だ。八木社長の長年にわたるイタリアのファッション業界への貢献が評価された。
イタリア大使館大使公邸で開催された式典では、ジョルジョ・スタラーチェ(Giorgio Starace)駐日イタリア大使による勲章の披露、ウンベルト・ヴァッターニ(Umberto Vattani)伊日財団会長や荒木直也・阪急阪神百貨店社長からの祝辞、八木社長によるイタリア語のスピーチなどが披露された。
スタラーチェ大使やヴァッターニ会長は、八木社長および八木通商が1971年にミラノにオフィスを開設して以来、中小企業の多いイタリアブランドの日本上陸に貢献してきたことや、ローマ市にあるピラミッド、ガイウス・ケスティウス(GAIUS CESTIUS)の修復を単独で支援したことに触れ、イタリアに対する貢献を称えた。
イタリア語でスピーチを披露した八木社長は、「イタリア製品を日本に持ち込むという大きな夢を持って29歳でミラノにオフィスを立ち上げた当初は、言葉や文化の壁や会社の名前を知られていなかったことに苦労したため、当時はこのような名誉ある勲章をいただけるとは想像できなかった」と振り返り、「有名なブランドではなく、デザイン性に優れた高品質のブランドに重点を置いてきた。結果として名のない中小企業が多く、『モンクレール(MONCLER)』もはじめは名のないサプライヤーの1社だった。近年では世界的なブランドに成長したことを大変うれしく思っている。社員一同で日本とイタリアの絆をさらに強化することに引き続き貢献していきたい」と展望を語った。
式典にはファッション業界の関係者の他、建築家の安藤忠雄や歌舞伎役者で俳優の中村獅童、経営コンサルタントの大前研一ら八木社長と親交の深い人物が駆け付けた。