大阪・岸和田市出身のデザイナー、コシノジュンコが28日、大阪府庁舎本館でファッションショーを開いた。大阪の魅力を発信するイベント「大阪文化芸術フェス」の一環として行われたもの。コシノは東京を拠点に世界各地でコレクションショーを開催してきたが、地元・大阪では30年ぶりのショーとなった。
「“SPECTRUM” of OSAKA by JUNKO KOSHINO」と題したコレクションは、大阪の未来・文化がテーマ。大正期に建てられ現在も府の行政機能が置かれている府庁舎本館の階段を舞台にしたショーは、コシノの故郷である岸和田のだんじり祭の映像から始まり、沼町青年団の鳴り物によるだんじん囃子や、地元のダンサーらによるパフォーマンスも披露された。
コレクションには和装の要素を取り入れたデザインのほか、だんじりや誘致活動を進める大阪万博を意識した未来感覚の衣装など約40点が登場した。伸縮性のある素材を使用し、手の先や頭のてっぺんからぶら下げた筒状のオブジェはだんじりの提灯をモチーフにしたという。ショーで用いられた法被(はっぴ)やダンスの衣装も、この日のためにすべてコシノがデザインした。
ショーについてコシノは「大阪は楽しいよ!ということをファッションで表現した。だんじり囃子やダンスなど大阪にはたくさんの魅力があり、ノリのよさも大阪らしい。歴史のある府庁舎でショーが開催されたことは過去になかったそうで、いい経験になった」とコメント。地元のクリエーターへのメッセージとして「周りに影響されないでいつも正々堂々としていること、そしてどこにいても常に世界を念頭に置いて挑戦することが大切。大阪にはその勢いがある」と話した。