東レは19年3月期で、繊維部門の売上高1兆円を見込む。競合の日系繊維メーカーがリストラに追われ、規模を縮小する中、東レは日本に加え、中国やASEAN、欧州などの生産拠点をを維持しながら、2000年からスタートしたユニクロとの取り組みを発展させることで、複数の地域をつなぐ“グローバルオペレーション”を進化させてきた。ユニクロとの提携は「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」などのメガヒット商品を生み出し、売上高1兆円を生み出す原動力になった。阿部晃一・副社長は「継続的に投資を続けながら、糸からテキスタイル、縫製品の一貫型ビジネスを推進し、多段階にわたる流通全体の最適化を実現できたことが、このスケール感につながった」と分析する。
18年4〜9月期の繊維部門の売上高は前年同期比19.0%増の5031億円、営業利益は同17.5%増の418億円になった。大口取引先のユニクロ向けが大きく伸びた他、前年の厳冬により流通在庫が一掃されていたため、新たな受注を呼び込んだ。東レインターナショナルを中心に日本の子会社が好調だった。