エルメスジャポンは、エルメス財団による展覧会「『眠らない手』エルメスのアーティスト・レジデンシー展」の第2期を、銀座メゾンエルメス フォーラムで1月13日まで開催している。
2010年から主にフランスにあるエルメス(HERMES)のさまざまな工房でアーティストたちが滞在制作を行っている「アーティスト・レジデンシー」の一環で、メンターと共に職人たちの技に触れる機会を提供。「眠らない手」と題し、職人やアーティストの“動き”や“しぐさ”に焦点を当て、計9人の若手アーティストによる作品を展示している。第1期は9月13日~11月4日に開催し、4人が出品した。
14日に開かれた第2期の内覧会では、エルメス財団のクレモンス・フレイス(Clemense Fraysse)=プロジェクトマネージャー、ガエル・シャルボー(Gael Charbau)=キュレーターがあいさつし、今回出品する5人のアーティストが作品のコンセプトを説明した。
リヨンのホールディング・テキスタイル・エルメスで学んだビアンカ・アルギモン(Bianca Argimon)は、半透明のモチーフを重ね合わせる手法で一つの絵画を作り上げた。ギリシャ神話に登場する理想郷「エデンの園」が、現代に至るまでに変わり果てた姿を表現。頭を地面にめりこませて現実を逃れようとするダチョウ、ピクセル化してしまった木になるリンゴなどを描き、現代社会への暗黙的な批判を込めた。
英ノーザンプトンにある「ジョンロブ(JOHN LOBB)」の靴工場に滞在したアナスタシア・ドゥカ(Anastasia Douka)は、住人のほとんどが製靴で生計を成り立たせることから、ノーザンプトンでの芸術は靴職人の仕事そのものであると考えた。職人たちの協力のもと、紫や水色と赤のバイカラー、ビーチサンダル型など、思い思いに作り上げた98足をずらりと並べた。
その他、ジェニファー・ヴィネガー・エイヴリー(Jennifer Vinegar Avery)は「悪夢」をテーマにリサイクル品や廃棄物で独特の空間を作り上げ、イオ・ブルガール(Io Burgard)は革職人の道具から着想を得たオブジェ群、ルーシー・ピカンデ(Lucie Picandet)は古代エジプトにオマージュを捧げた円状の皮革絵画を出品した。
■眠らない手:エルメスのアーティスト・レジデンシー展
日程:11月15日〜2019年1月13日
時間:月〜土曜日11:00〜20:00(入場は19:30まで)/ 日曜日11:00〜19:00(入場は18:30まで)
定休日:不定休(年末年始は「エルメス」銀座店の営業時間に準ずる)
場所:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階
入場料:無料