LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下の「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」と藤原ヒロシの「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」は、コラボレーションしたモデル“タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 02 バイ フラグメント ヒロシフジワラ”の発売に先駆け、ビジュアルを初めて公開した。20日にエスパス タグ・ホイヤー表参道で会見を行い、藤原ヒロシに加え、LVMHの時計部門のトップ、ジャン・クロード・ビバー(Jean Claude Biver)会長も登壇。コラボモデルにまつわるエピソードを披露した。
同モデルは、初めて日本人デザイナーを起用したコラボレーションとなる。この日を“特別な日”と切り出したビバー会長は、「この時計は私が初めて、一切コメントなし、何も変更点なし、ただ受け入れるのみという中で完成した。通常は、われわれからデザイナーに『こういう時計を作ってほしい』と方針を示し、リクエストするもの。今回はただひたすら黙り、寝て待つを繰り返すというのが方針となった」と、会場の笑いを誘いながら経緯を話した。さらに「実は今回のコラボの発案者は私の18歳の息子だ。9カ月前に息子から『21世紀と関連性を持つような素晴らしい時計を作りたいなら、この素晴らしいデザイナーと仕事をしなければならない』と紹介されたのが藤原ヒロシだった」と続けた。
藤原ヒロシは、「最初にビバーさんからアプローチしてもらった際に昨年デザインした『ゼニス(ZENITH)』の時計を気に入ったと言われた。普段デザインを頼まれる時は、何となく僕のイメージを知っていている人がほとんどだけど、今回は僕のことを全く知らずに時計のデザインだけを見て、ぜひやってみたいというお話をいただいたのでうれしかった。自由な環境でデザインさせてもらってありがたかった」と話した。デザインのポイントを聞かれ「よりシンプルに、自分でも使いたいと思う時計を作りたかった。ストラップを2つ付けたのも、基本的には僕が普段着けているから」と答えた。それに対し、ビバー会長は「藤原さんが、私たちのために作ったのではなく、自分で身に着けたい時計を作った。それがこの時計の価値を増したと思っている。そうすることでオーセンティックなオリジナリティーが生まれた。今はそのオーセンティックなオリジナリティーが極めて必要とされている時代。それがレアなタイムピースを生んだ」と語った。
同コラボモデルは、代表モデル“ホイヤー カレラ”の1963年のオリジナルモデルをベースに、自社製ムーブメントの“キャリバー ホイヤー 02”を搭載し、ビンテージウオッチからインスピレーションを得てオリジナルデザインに仕上げた。世界限定500本で価格は87万円。20日18時から販売したが、初回入荷分はすでに完売したという。