2016年に始まった米ロサンゼルスの「コンプレックスコン(ComplexCon)」を皮切りに、「ハイプビースト(HYPEBEAST)」がニューヨークで開催する「ハイプフェスト(HYPEFEST)」やベルリンの「ブレッド&バター(BREAD&&BUTTER)」など、ストリートカルチャーの祭典が今話題だ。このような祭典はコンベンションと呼ばれ、スニーカーやストリートファッションにフォーカスし、それに夢中の若者が世界中から集まることで、トレンドの発信地としても注目度が高い。11月に開催された「コンプレックスコン」では現地取材を行い、その模様は
「WWDジャパン」12月3日号 で特集している。時代は“コレクションよりもコンベンション”なのか?「WWD JAPAN.com」で過去に掲載したいくつかの“コン”や“フェス”から、盛り上がりの一端を見る。
【ComplexCon】
現地取材を実施 米「WWD」による来場者インタビューも
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今年で3回目を迎えた世界最大のスニーカー・ストリートファッションの祭典「コンプレックスコン」が、米ロサンゼルスのロングビーチにあるコンベンションセンターで11月3~4日に開催された。村上隆とファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)がホストを務め、ファッションだけでなく、パネルディスカッションやスピーチ、アートインスタレーション、音楽ライブ、フードなど、多彩なコンテンツが集結。
来場者の多くは「ナイキ(NIKE)」のスニーカーを履いており、特に今、世界中で人気を博す「THE TEN」は、「コンプレックスコン」で最も多く見かけたスニーカーと言ってよいだろう。中にはスニーカーを独自にペイントしたり染めたりするなど、カスタムした者もいた。そして、もう一つ、女性来場者の多さにも注目したい。会期中は、“Women & Streetwear”をテーマにしたパネルディスカッションが開かれるなど、今や男性だけでなく、女性も十分に楽しめるコンテンツが充実している。そんな「コンプレックスコン」をスナップで振り返る。
ストリートファッションを好む“ハイプビースト”と呼ばれる若者やスニーカーへッズ、そして転売ヤーが世界中から集結した「コンプレックスコン」で、来場者4組に、実際買ったものや出身、訪れた理由などを米「WWD」が聞いた。
会場での“ドロップ”が大きな魅力に
「コンプレックスコン」の魅力の一つは、会場でしか手に入らないアイテムなどレア物を手にする機会があることだ。ストリートブランドだけではなく、ラグジュアリーブランドにも浸透しつつあるドロップ(シーズンごとではなく不定期に新製品を発売すること)形式だが、多数のブランドが集まるのはコンベンションならでは。
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(c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
ヴァージル・アブローの公式インスタグラム(@virgilabloh)から
「ナイキ」は参加見送り、ラグジュアリーブランドの動向にも注目
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2017年の「コンプレックスコン」での「ナイキ」のブース、AF-100センターコート (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
「コンプレックスコン」の公式インスタグラム(@complexcon)から
【Virgil Abloh / THE TEN】
ストリートファッションシーンの最重要人物の1人が、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」を手掛けるヴァージル・アブローだ。ヴァージルがビジネスで重視するのが、今ではよく見かけるようになったコラボレーションという手法。ヴァージル自身、数々のコラボレーションを通じてブランドを成長させてきたと証言している。彼がナイキと共に発表したスニーカー「THE TEN」は、コンベンションに集まる若者たちのトレードマークになった。「リモワ(RIMOWA)」や「イケア(IKEA)」ともコラボレーションしており、ヴァージルが関わるコラボプロジェクトは発表のたびに大きな注目を集めている。自身のブランドだけでなく、2018年には「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任し、ラグジュアリーにも活動の幅を広げた。
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PHOTO BY YUTA KONO
PHOTO BY IKU KAGEYAMA
【Pharrell Williams】
ファレル・ウィリアムスは、2016年の初回から18年まで3度連続で「コンプレックスコン」のホストを務めた。野外音楽フェス「フジロックフェスティバル'18(FUJI ROCK FESTIVAL'18)」で来日したヒップホップグループN.E.R.Dのメンバーで、ソロとしてグラミー賞の受賞歴もあるアーティストだ。ファッション業界とのつながりも強く、「シャネル(CHANEL)」のカプセルコレクションをデザインするなどブランドからの信頼も厚い。「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」とコラボレーションしたスニーカーやウエアのコレクションは継続的に発表されている人気商品だ。
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(c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
コレットの公式インスタグラム(@colett)から
【村上隆】
「コンプレックスコン」の初回から、ファレル・ウィリアムスと共に運営に携わっているのが村上隆だ。会場には、村上によるアイコニックなオブジェが設置された。村上のアートはストリートシーンでも支持を得ているようだ。特に、ヴァージル・アブローと親交が深く、ヴァージルによる初の「ルイ・ヴィトン」のショーに立ち合った直後に、2人はパリで合同展覧会を開いた。
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STEPHANE FEUGERE / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
FRANCOIS GOIZE / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
村上隆の公式インスタグラム(@takashipom)から
【藤原ヒロシ】
藤原ヒロシはサラ・アンデルマン(Sarah Andelman)と共に、初開催の「ハイプフェスト」運営委員会メンバーに選出された。ポケモンとの合同プロジェクト「サンダーボルトプロジェクト(THUNDERBOLT PROJECT)」や「ザ・コンビニ(THE CONVENI)」としても「ハイプフェスト」に参加した。過去に「コンプレックスコン」のパネルディスカッションにも登壇している。ヴァージル・アブローによる「THE TEN」に結実したナイキのスニーカープロジェクトを同氏が手掛ける話もあったという。プロデュースしたコラボプロジェクトは枚挙にいとまがなく、11月に発売された「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」の腕時計は、コラボプロジェクトとして一般的な別注ではなく、オリジナルで制作され、87万円という価格帯にもかかわらず早々に完売した。
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(c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC, JABPHOTOGRAPHY / REX/Shutterstock (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
PHOTO BY SHUHEI SHINE
【GR8】
グレイト(GR8)は、ラフォーレ原宿に店舗を構えるセレクトショップ。グレイトを率いる久保光博・社長はイギリスのファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション(The Business of Fashion、以下BoF)」で、世界を代表するファッション業界人500人「BoF500」に2017年、18年の2年連続で選出された。ゲス(GUESS)主催のポップアップストアイベント「ゲス ファーマーズマーケット(GUESS FARMERS MARKET)」はロサンゼルス、パリ、ロンドンなどで開催され、東京ではグレイトが会場となった。
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KARI HAMANAKA (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
【UNION】
ユニオンはロサンゼルスのセレクトショップで、4月に東京・神宮前に国外初出店した。1989年、「シュプリーム(SUPREME)」のボス、ジェームス・ジェビア(James Jebbia)が創業。初回から3年連続で「コンプレックスコン」に出展し、今回はオーナーのクリス・ギブス(Chris Gibbs)の妻ベス・ギブス(Beth Gibbs)がスピーカーとして登壇した。同イベント直前に発表された「ナイキ」とのコラボスニーカーは「コンプレックスコン」で発売されなかったが、話題を振りまいた。
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