ドイツ・ベルリンを拠点とするカルチャーマガジンでファッションブランドでもある「032c」が11月26日に、同ブランド初となるウィメンズコレクションをロンドンで発表した。「032c」は1月にイタリア・フィレンツェで開催されたメンズ最大の見本市、「第93回ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」にゲストとして参加し、初のメンズコレクションを披露したばかりだ。
「032c」の創業者でクリエイティブ・ディレクターのマリア・コッホ(Maria Koch)は、「ジル・サンダー(JIL SANDER)」や「プラダ(PRADA)」「マリオス ショワブ(MARIOS SCHWAB)」などで経験を積んだ人物。ウィメンズの立ち上げについて「グッズからアパレル、そしてコレクションに発展するまで、いつもどこかでゴールにしてきたことだった」と振り返る。グッズを「ファーフェッチ(FARFETCH)」や「エッセンス(SSENSE)」といったECサイトで取り扱われたことも、コレクションを立ち上げる上でよいフィードバックが得られたという。
今回、どの都市のファッション・ウイークにも参加せずに独自にコレクションを発表したのは「もうファッション・ウイークは存在しないようなもので、皆がドロップ(発売)したり、プレ・スプリングやプレ・フォール・コレクションなどを好きなように発表している。だから私たちがやりたい時にやろうと考えた」ためだという。
マリアが「DIY的アプローチで、ミニマルなセクシーさ」を表現したというウィメンズコレクションは、生地を切り抜いたような構築的なブラックドレスや、シアーのプリーツドレス、ワークウエアにインスパイアされたというツーピーススーツ、デコボコしたカーディガンにレースアップブーツなど、全12ルックがそろう。また同時に発表されたメンズコレクションには、タイダイTシャツやMA-1などが登場した。
「032c」のカルチャーマガジンは、イェルク・コッホ(Joerg Koch)同誌編集長が2000年にスタートし、毎年2回発行している。イェルクは16年からECサイト「エッセンス」の編集長に起用され、その斬新で豊富なコンテンツ力で他のECサイトとの差別化に貢献している。「032c」の最新号となる35号の表紙には、水原希子を起用。「ゲーエムベーハー(GMBH)」のジャケットとグローブに、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のヒールのみを合わせるという、マーク・ゲーリンク(Marc Goehring)「032c」ファッション・ディレクターによるスタイリングと、写真家トーマス・ロア(Tomas Lohr)によるセクシーなショットは日本でも話題となった。