世界最大の時計企業スウォッチ グループ(SWATCH GROUP)は、2019年3月19~26日にスイスのチューリヒで小売店向けの展示会を開催する。同グループは、3月21~26日に開催される世界最大の時計・宝飾の合同展示会バーゼルワールド(BASEL WORLD)からの撤退を表明していた。
同グループのプレスオフィスによれば、「多くの小売店から、19年3月にスイスを訪れる際にどうしても当社の傘下ブランドの製品が見たいという強い要望があった。傘下のラグジュアリーブランドのうち何社かがこうしたリクエストに応えることに同意したので、チューリヒで展示会を開催することにした」という。なお、チューリヒはバーゼルワールドが開催されるバーゼルとは車で1時間程度の距離。
スウォッチ グループはこれまでバーゼルワールドの中心的存在で、「オメガ(OMEGA)」や「ブレゲ(BREGUET)」「ブランパン(BLANCPAIN)」「グラスヒュッテ・オリジナル(GLASHUETTE ORIGINAL)」「ジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)」「ロンジン(LONGINES)」「ハミルトン(HAMILTON)」などの時計ブランドを出展していた。ロイター(REUTERS)通信によると、同グループはチューリヒで開催する展示会のインビテーションを小売店などに発送しており、そこには「動くべき時(Time to Move)」と記されているという。
バーゼルワールドと出展社を取り合うライバルのS.I.H.H.(SALON INTERNATIONAL DE LA HAUTE HORLOGERIE、サロン・インターナショナル・オート・オルロジュリ)は、19年は1月にジュネーブで見本市を開催するが、いずれも来場者や出展社の減少などの危機的な状況にあることから、20年以降は4月末から5月にかけての連続開催とすることが決定している。