複数の情報筋によると、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が歌手のリアーナ(Rihanna、本名:ロビン・リアーナ・フェンティ)と、彼女の名前を冠したラグジュアリーブランドを立ち上げるための交渉を水面下で行っているという。詳細や創業のタイミングは明らかになっておらず、LVMHからはコメントを得られなかった。しかしこれが実現すれば、LVMHにとってはベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)が1987年にゼロから立ち上げた「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」以来、2つ目のブランド誕生となる。
1月15日にはネット上でリアーナが身に着けていた“フェンティ(FENTY)”ロゴのサングラスのブランドが話題になった。情報筋によるとこれは新ブランドから発表するアイテムのプロトタイプだという。
さらに情報筋によると、LVMHはリアーナをサポートする従業員の選定をすでに始めており、その中には「ルイ・ヴィトン」や「セリーヌ(CELINE)」のスタッフもいるという。また、新ブランドはウエアやレザーグッズ、アクセサリーを展開し、19年後半と予想されるリアーナの9枚目のアルバム発売のタイミングでローンチする可能性があるという。
リアーナはランジェリーブランド「サヴェージ×フェンティ(SAVAGE X FENTY)」や「プーマ(PUMA)」のクリエイティブ・ディレクターとして「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA BY RIHANNA)」を手掛けるなど、ファッションに対する関心が強い。また、16年には「ディオール(DIOR)」とコラボレーションしたサングラスを発表し、ビューティーブランド「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」はLVMH傘下のケンドー(KENDO)とパートナーシップを締結し、LVMHの香水&コスメティック部門の好調に寄与するなどLVMHとの関わりも深い。
LVMH内の情報筋はリアーナを“製品開発にもハンズオンで関わるタイプ”と表現する。LVMHは約半年前からリアーナのチームの選定に乗り出し、同プロジェクトは「セリーヌ」「ケンゾー(KENZO)」「ロエベ(LOEWE)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」などを統括するLVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)のシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)会長兼CEOが指揮を執るようだ。