エイボンは、先駆者的な活動を行う女性を表彰する「エイボン女性年度賞」を発表した。大賞には「魔女の宅急便」の作者として知られ、昨年童話作家の国際的な賞である国際アンデルセン賞作家賞を受賞した作家の角野栄子さんを選出。31日に都内で行われた授賞式で、角野さんは「私は自分が好きなことをコツコツと続けてきただけ。それで皆さまに読んでいただき、元気が出ると言っていただけるのはありがたいと思う」と喜びを語った。
受賞の喜びを語るスピーチで、角野さんは「話は変わりますけど、おしゃれの話をしていいですか」と突如脱線。「おしゃれに対する思いは長い歴史を持っていまして。3歳か4歳の頃。その時代は洋服は自分で作るものだったんですが、銀座の良いお店で買ってもらったんです。そのことをすごく覚えています」とファッショントークをスタートさせると、「父親もこだわりがあって、私は当時からおかっぱだったんですが、前髪と横の髪を直角につなげるのではなく、“角マル”にしなさいと。当時床屋に行くとき、父から『いいかい、“角マル”にしてくださいって言うんだよ』と繰り返し言われていました」と語り、会場の笑いを誘った。
1979年に創設された「エイボン女性年度賞」は今回で39回目。2018年度は大賞の他、芸術賞は宝塚歌劇団初の女性演出家として活動する植田景子さん、スポーツ賞は1988年のソウルオリンピックでシンクロナイズドスイミング・デュエットの銅メダルを獲得し、引退後に渡米し心理学の資格を取得、現在はスポーツチームや企業に対しメンタルトレーニングの指導を行っている田中ウルヴェ京さんが受賞。ソーシャル・イノベーション賞は父親が創業した産業廃棄物処理中間会社を継ぎ、環境配慮型の資源再生企業へと改革を行った石坂産業の石坂典子さん、教育賞は国立情報学研究所の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)著者の新井紀子さんが選出されている。