ファッション

新世代顧客で活気を取り戻したオートクチュール・コレクション

 近年、オートクチュールの勢いが減退する中、オートクチュール化するプレタポルテ「プレタクチュール」がその隙間を埋めるようになり、「オートクチュールの終焉」と叫ばれることもあった。しかし、現在は若年層の顧客が増加したことでブランドのオートクチュール部門は2ケタ成長を始めている。ラグジュアリーファッションの頂点、オートクチュールは健在のようだ。

 シドニー・トレダノ=クリスチャンディオール クチュール社社長兼最高経営責任者(CEO)は、新たな顧客層により、全体の平均年齢が40代から30代前半へ、約10歳近くも下がっていると話す。「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」の売り上げの2ケタ成長は、アジアやアメリカ、南アメリカ、西ヨーロッパのハイテク産業や急成長する新興市場を支える若い顧客によって実現したという。「ドイツでもラグジュアリー商品の需要が伸びている」と話すトレダノ社長兼CEOは、デュッセルドルフとフランクフルトでも店舗のオープンを予定していると発表した。また、ヴェルサイユ宮殿に120名の顧客を招き、最新の高級ジュエリーコレクションを披露した。これまでのクチュールの顧客はプライベートのイベント以外に表に出ることが少なかったが、新たな顧客は芸術イベントやギャラリーのオープニングパーティー、ファッションショーなど、より多くの場でオートクチュールを身に着けているという。

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