ファッションEC最大手の「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOは、有料会員制の割引サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」のサイトでの画面表示に関して、出店企業が選べる機能を追加した。同サービスは昨年12月の導入後、画面上では定価に並ぶ形で会員向けの10%の割引価格が表示されることなどに出店企業から批判が集まり、オンワードホールディングスやライトオンなどのゾゾタウン撤退につながった。今回、割引価格のない画面表示を選べるようにすることで、出店企業の理解につなげたい考え。
新しい画面表示は、これまで通り大きな文字とボタンで割引後を表示するタイプ、文字だけを表示し、ZOZOARIGATOへはリンクボタンで誘導するタイプ、ZOZOARIGATO価格の非表示の3パターン。一部のブランドはすでに切り替え始めている。
「ZOZOARIGATOメンバーシップ」は定額の会費(年額3000円または月額500円)を支払えば、全ての商品を対象に新規入会月は30%引き、その後は常に10%引きで購入できるというもの。割引分はZOZOが負担し、購入客は割引分を日本赤十字などの団体への寄付、購入ブランドへの還元、あるいは自分で受け取る、の中から選択することができる。
ただ、ゾゾタウンから撤退した企業の多くは「恒常的な値引き表示はブランド毀損につながる」(オンワードホールディングス)という点を問題視していたものの、今回の表示切り替え機能はZOZOARIGATOの未加入者への割り引き表示のみが対象で、加入ユーザーにはこれまで通り10%引きの表示は継続する。そのためどこまでテナント側の不満を解消できるのかは未知数だが、ZOZOARIGATOのサービス自体はテナントであるブランド側にも負担なしで販売促進につながるメリットもあり、一定の反発解消にはつながりそうだ。