暖かくなってくると、春風になびくトレンチコートが欲しくなる。けれど、「トレンチはコンサバに見えすぎてしまう」「どうしたらおしゃれに着こなせるのかわからない」と悩む女性も多いはず。トレンドに左右されず、オン・オフ問わず使えるトレンチコートは、自分に合った一着を選び、着こなし術を学べば、これほど心強いものはない。「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「ジーナシス(JEANASIS)」などを展開するアダストリアが、2019年春の一推しアウターとしてプッシュするのがトレンチコートだ。
トレンチコートは男性の軍用服をルーツとし、著名人の着用などをきっかけに1950年代以降、一般女性の間にも広まった。61年の「ティファニーで朝食を」で主演した大女優、オードリー・へプバーン(Audrey Hepburn)が作中でエレガントに着こなしていたことは有名だが、女性の社会進出が進む現代でも女性のワードローブに欠かせない、普遍的で流行り廃りのないコートだ。では、なぜ“今”トレンチなのか?
最近は皆が追いかけるようなビッグトレンドがなくなってきていて、いかに自分らしく、魅力的に装えるかがおしゃれのポイントになってきている。その点、トレンチはカジュアルなコーデに羽織るだけで大人っぽく見せてくれるし、ワンピースやスカートなどに重ねれば、ガーリーに可愛らしく見せてくれる不思議なコート。いろいろな着こなしにマッチして、女性ならでは魅力を引き出してくれるからこそ、一着はワードローブに持っておきたい。
アダストリアは今シーズン、シルエットやカラー使いなどさまざまなバリエーションでトレンチコートを用意した。芯の強さを感じさせるトラッドなデザインのものから、しなやかで光沢感のある素材使いのもの、緩めのシルエットで重ね着や抜け感を楽しめるものまで幅広い。
多彩な表情のリバーシブルまで
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身頃をベージュと黒、さらにガンフラップをオリーブで切り替えた配色に、どこかモードな雰囲気が漂うトレンチコート。シンプルなインナーに羽織るだけでもコーディネートが完成する。とろみのある質感と長めの丈が、エレガントな雰囲気だ。
トレンドに関係なく長く愛用したいなら、ベーシックなデザインのものを選ぼう。風になびくような軽めの素材感が、上品な印象。またバックル付ベルトは取り外し可能で、前で閉めて着れば、一気に大人っぽいムードが漂う。
見え方が美しく変わる玉虫色の生地と、春らしいカラーチェックの計2タイプで展開する。トレンド感のあるオーバーサイズだが、伝統的なディテールを踏襲し、流行り廃りに関係なく使える。袖口とウエストのベルトを締めることで、大胆に変化するシルエットも楽しい。
ベーシックなベージュとカジュアルを上品に格上げしてくれるストライプのリバーシブル仕様が嬉しい。ベージュを表にして使ったときに、裏のストライプがのぞくのもさりげなくオシャレを演出できる。ノーカラーのため、小顔見せ効果も期待できる。
裏側はクレイジーパターンのチェックで、気分によってガラリと雰囲気を変えて楽しめる一枚。時流をおさえたテーラード仕様の大き目な襟や、袖口を絞ったキャンディスリーブなど、さりげなくこなれ感を演出できる。
理想の一着を見つけたら、次はそれをどう着こなすかだ。ここでは、プロが教えるトレンチコートを使ったスタイリングのポイントを紹介する。お出掛けで気軽に羽織ったり、時にはちょっと背伸びをしてみたりと、自分らしいトレンチスタイルで春の陽気の中へ踏み出そう。
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町野泉美:ラペル位置が高いので、中のトップスが見せやすく、さまざまなスタイリングが楽しめそう。コシのある素材感なので、ウエストを絞ったり袖をまくったりしてもフォルムが生きますね。
fukami:袖口にボリューム感のあるコートは、袖を上げることによってメリハリがでてモードにも着られます。カーディガンを羽織る感覚でスタイリングに取り入れてみて下さい。
町野:王道のクラシカルなトレンチコート。Tシャツやスポーティーな小物など、相反するようなカジュアルアイテムと合わせると、トレンド感が出せます。
fukami:クリーンな表情の素直なトレンチコートには、今期はビビッドなカラーを投入が◎です。やりすぎかな?と思うような色はさむと、意外にとても馴染みます。是非チャレンジしてください。
町野:テロンとした素材感で着心地も良く、衿は取り外し可能な一枚。衿つきでトレンチが主役のコーディネートはもちろん、衿なしでインナーを引き立てる羽織としても活用できますね。
fukami:トレンチ×ブラックはモードテイストや、オフィススタイルに寄りがち。レースや花柄など、しっかり女の子。なアイテムを投入して、コーディネートに軽さと優しさをプラスしてください。
町野:ライナー付きのトレンチで、プチプラなのも魅力的です。取り外しで長いシーズン使える万能トレンチで、間違いのない一着ですね。
fukami:しっかりとしたボリューム感は、ストリートな今の気分にぴったり。フーディで物足りない時は、モックネックをレイヤードするなど首元で遊ぶと“今っぽい”です。
町野:落ち感と肌さわりの良いマット素材で、フーディやデニムなどカジュアルなスタイルに取り入れてもいいですし、とろみのあるワイドパンツと合わせた、色気のあるマスキュリンなスタイルもオススメです。
fukami:ケミカルな素材のコートは身体の動きに合わせてさまざまな表情を見せてくれます。コート一枚でスタイリングがドラマティックになるので、他はシンプルに、ミニマムに仕上げましょう。
町野泉美:バンタンデザイン研究所スタイリスト科を卒業後、渡英。ロンドンにて雑誌「ストリート(STREET)」のフォトグラファーを務める。帰国後、スタイリストのアシスタントを経て独立。国内外の雑誌、ブランドのカタログやファッションショー、広告、ミュージシャンやタレントのスタイリングを手掛ける。
fukami:スタイリストの野崎美穂氏に師事し、キャリアをスタート。週刊少年マガジン(講談社)のファッションを題材とした漫画を監修する。そのほか東京ガールズコレクションファッションディレクター、東京服飾専門学校非常勤講師。
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