福井県の大手眼鏡メーカー、シャルマンはオリジナルブランド「ラインアート シャルマン(LINE ART CHARMAT)」のスタート10周年を記念した6種類のモデルを発表した。その中で最高級の“クインテット10thセレブレーションモデル”の価格は550万円だ。大阪を本拠とするジュエリーブランド「ヒロウミ(HIROUMI)」を手掛けるアトリエヒロウミの3代目である廣海貴晴と協力し、フレームに140石(合計5.0カラット)のダイヤモンドをセッティングした。アトリエヒロウミは1930年の創業で、廣海は99年に技能五輪モントリオール国際大会で日本人初の金メダルに輝いた宝飾職人だ。同商品は完全受注生産で、受注から納品まで数カ月を要する。「ヒロウミ」とのコラボレーション・モデルは55万円と33万円の商品もある。
また、「ファイナルファンタジー」シリーズのゲーム音楽などを手掛けた作曲家の浜渦正志に依頼し、オリジナル曲「ラインアート」を制作した。浜渦は福井県鯖江市にあるシャルマンの本社工場を訪ね、工場に響く金属音や機械音を楽曲に使用したという。「ラインアート シャルマン」10周年記念特設ウェブサイトなどで配信する。
550万円の眼鏡と眼鏡ブランドのオリジナル曲の制作は、世界の眼鏡業界で異例のことだ。
「ラインアート シャルマン」は、同社が10年以上をかけて開発した素材“エクセレンスチタン”と光加工技術“レーザ微細接合”を駆使して2009年に発売され、これまで世界約100カ国で累計260万本を販売している。
宮地正雄シャルマン社長は、「シャルマンの技術を集大成した最高位のモデルで、従来の眼鏡業界ではできないものだ。これからの10年に向けて、好スタートを切った」と話した。