中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.COM)の2018年12月期決算は、売上高が前期比27.5%増の4620億元(約7兆3920億円)と増収になった一方で、技術関連への投資やマーケティング費用がかさみ、純損失は前期の1171万元(約1億8736万円)から28億元(約448億円)に大幅拡大した。なお、取扱高は前期比29.5%増の1兆6769億元(約26兆円)だった。
10~12月期の成長率は前年同期比22.4%と同社が15年に上場して以来の低水準となったものの、中国で最もECが盛り上がる「独身の日(11月11日)」セールなどが寄与してアナリスト予想を上回る売上高となったことを好感し、決算発表後の同社株価は時間外取引で14%高の29.69ドル(約3295円)をつけた。
リチャード・リュー(Richard Liu)会長兼最高経営責任者は、「第4四半期は主な製品カテゴリーで業界水準を超える業績を上げられた。技術革新への投資によってさらに効率的な運営を可能にしつつ、顧客の買い物体験をいっそう拡大することができた」と語った。米中貿易摩擦などの影響により中国の景気は減速しているが、同社の見通しは前向きだ。シドニー・ファン(Sidney Huang)最高財務責任者は、「中国政府のさまざまな政策が奏功し、19年上期には消費者需要が上向くことを慎重にではあるが楽観視している」と述べた。
なお、JDドットコムが運営するラグジュアリーECサイト「トップライフ(TOPLIFE)」は英ラグジュアリーEC大手「ファーフェッチ(FARFETCH)」の中国事業と統合し、「プレミア・ラグジュアリー・ゲートウェイ(PREMIER LUXURY GATEWAY)」に改称される予定だ。これにより、JDドットコムが抱える3億余りのユーザーは「ファーフェッチ」で扱っている1000以上もの高級ブランドに簡単にアクセスできるようになるという。