ファッション

原美術館で“大切な記憶”に出合う 「ユキ フジサワ」初のプレゼンテーション

 藤澤ゆきによるテキスタイルを軸にするファッションブランド「ユキ フジサワ(YUKI FUJISAWA)」は16日、体験型イベント「“1000 memories of” 記憶のWorkshop by YUKI FUJISAWA」を、来年末で閉館する東京・品川の原美術館で開催した。イベントは参加型ワークショップと、モデルを起用したブランド初のプレゼンテーションの2本立て。ビンテージウエアに染めやプリントを施した一点物のリメイクアイテム“ニュー ビンテージ(NEW VINTAGE)”を発展させて“記憶”にフォーカスした作品を発表した。

 プレゼンテーションは原美術館の中庭にパラソルを立て、ベッドとテーブル、チェアを並べた空間で行った。モデルたちは1920年代のビンテージドレスに“誰かの大切な記憶”をイメージしたモチーフを箔押ししたワンピースをまとって登場。モチーフは古い楽譜や日記、チョウやトンボ、昆虫の絵などさまざま。箔押しすることで今の時代に再び美しく輝かせ、ビンテージウエアに新たな価値を生み出す。

 藤澤は「他の人にとっては何でもないことでも、誰かにとっては思い入れの強いものがあると思う。例えば、古い楽譜には楽しく歌った記憶があったり、日記には日々の思いを綴った記憶が残されていたりと、生活のワンシーンに思いを馳せながら制作した。約100年前のビンテージウエアを使用しているが、当時の持ち主たちは100年後に私たちが着ているということを想像できなかったはず。それはロマンを感じることだと思う」と話す。

 藤澤が温めてきた企画だというワークショップでは、参加者の“一番大切な記憶”にまつわる手紙や写真などを金箔に写し、紙にプリントした。このプロセスを通して、参加者は菓子研究家の福田里香によるいちごのスープとクネッケの”記憶のおやつ”を味わいながら、大切な記憶について語り合った。ブランドは今回のイベントで集まった版(箔を剥がした際に残る抜け殻)を回収し、その柄を使用したワンピースを制作する。ワンピースは3月28日にギャラリーの表参道ロケットで新作とともに展示販売する予定だ。

 イベントの企画とプロデュースは「シアター プロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」元プロデューサーの金森香が担当した。また、女優の青柳いづみが来場者の記憶を、架空の通貨“メモアール(memoire)”と換金する係として登場した。

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