百貨店の3月度の売上高(既存店ベース)は、大手5社のうち4社が前年同月の実績を上回った。三越伊勢丹が前年同月比1.1%増、高島屋が同1.2%増、大丸松坂屋百貨店が同1.0%増、阪急阪神百貨店が同0.6%増、そごう・西武が同0.7%減だった。国内ボリュームゾーンの消費は引き続き難しさが続くものの、復調したインバウンドがけん引した。月半ばの大規模改装オープンで注目を集めた伊勢丹新宿本店メンズ館と阪急メンズ東京は、共に予算を上回っているという。
免税売上高は大丸松坂屋が同20%増、阪急阪神百貨店が同13%増。「中国の電子商務法の実施などで1月に大きく落とした免税売り上げは、大分戻ってきた。3月はラグジュアリーの雑貨だけでなく、衣料品も海外客に売れた」と三越伊勢丹。
一方、婦人服は引き続きやや苦戦という声が中心だ。高島屋は、ラグジュアリーを除く婦人服が同1.7%減だった。ただし、「18年の夏以降、前年割れが続く中ではマイナス幅は小さい」という。
注目の改装だった伊勢丹新宿本店メンズ館は「ラグジュアリーゾーンやシャツ売り場など、注力して改装した売り場が売り上げにつながっており、堅調」だ。ただし、2ケタ増ほどの勢いはないといい、今後の認知向上で売り上げ増を狙う。阪急メンズ大阪は「上層階の趣味の売り場など、各フロアまんべんなく客が入っており、予算は上回っている」という。