大手SPA、セレクトショップ、専門店の2019年3月の売上高(既存店ベース)は、2月に続いて春物の売れ行きが好調で、前年実績を超えたという声が目立った。「休日が前年3月よりも1日多かったことを差し引いても好反応だった」という声が強い。
ユニクロの国内既存店とECの合計売上高は、前年同月比4.5%増だった。「前年3月が一昨年に比べて13%増だったこともあり、そこからの上乗せができた点は健闘といっていい」と広報担当者。暖冬により、上期(18年8月~19年2月)累計の既存店売上高は前年同期比0.9%減と苦戦していたが、春物の好調を受けて「ほっとした」。売れ筋は、“ブロックテック”のアウターやポケッタブルパーカなどの軽い羽織りや、スエット、レギンス、「UT」で、客数は同10.1%増だった。
2月の既存店売上高が同14.8%増だったアダストリアは、3月は同8.2%増。18年秋以降、屋台骨である「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」などで短サイクルMDの強化を進めており、それが全体を押し上げた。また、春物で媒体露出なども含めて全社連動で仕掛けたトレンチコートがヒットしたことも貢献した。
ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの既存店売上高は同3.2%増。引き続きウィメンズが貢献している。「ニットやパンツ、ジャケットなどがよく売れた」(広報担当者)。メンズは「ウィメンズに比べればやや落ちるが、3月は好調」という。
「無印良品」を展開する良品計画の直営既存店売り上げは同0.5%増。衣服・雑貨は同1.8%増、食品は同12.1%増だったが、引き続き生活雑貨が同1.9%減と苦戦し足を引っ張った形だ。
しまむらの主力である「ファッションセンターしまむら」の既存店売上高は、同2.3%減。「トレンドが見えない時期がこの間続いていたが、春物ではマウンテンパーカや小花柄などのワンピースでヒット品番が出ている」と、北島常好社長は19年2月期決算会見で話した。ただし、冬物のセールで単価が下落し、3月は前年実績を下回った。19年2月期は大幅減益となり、過度な価格訴求から、今後は「お客さまが求めるものをオーソドックスに追求する」手法を採る。