ファーストリテイリングの2018年9月~19年2月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前期比6.8%増の1兆2676億円、営業利益が同1.4%増の1729億円だった。国内ユニクロ事業は暖冬を受けて営業利益同23.7%減と苦戦するも、中国本土を中心とした海外ユニクロ事業が好調で、全体をけん引。復調したジーユー事業も計画を上回る増収増益を達成した。
海外ユニクロ事業の売上収益は同14.3%増の5800億円、営業利益は同9.6%増の884億円だった。国内ユニクロ事業の売上収益は同0.5%減の4913億円、営業利益は677億円と、「海外の売り上げが国内を超えることはもはや定着しつつある」と、柳井正会長兼社長。
国内ユニクロ事業の苦戦は暖冬による冬物不振のため。値引き販売の強化により売上総利益率が同3.3ポイント悪化し、45.6%となった。円安によって原価率が上昇していることも影響した。
海外は、中国本土が「売上収益、営業利益共に約2割の伸び」(潘寧グループ上席執行役員グレーターチャイナ最高経営責任者)で推移。この間行ってきたPR施策やデジタルマーケティングが効き、「暖冬の中でも客数が増え、既存店売り上げは前年実績を超え続けた」。現在は上海、北京といった一級都市の店舗が中国本土全体の約3割を占めるが、内陸部の2級、3級都市への出店にも今後さらに注力。年間100店前後の出店を継続する。香港や台湾を含めたグレーターチャイナとしては、19年8月期通期で売上収益5000億円、営業利益850億円を目指す。
ジーユー事業の売上収益は同10.7%増の1171億円、営業利益は同54.3%増の141億円だった。トレンドを全方位的に狙う手法から、品番数を絞り込んでマストレンドにフォーカスする手法に切り替えたことで浮上した。販売好調や素材の集約による原価率改善により、売上総利益率は3.0ポイント改善した。
19年8月期通期は、売上収益で前期比8.0%増の2兆3000億円、営業利益で同10.1%増の2600億円を見込む。上期の下振れを反映し、営業利益は以前の発表から100億円を減額修正したが、業績としては過去最高を期待する。