「グッチ(GUCCI)」が2019年プレ・フォールの広告キャンペーンビジュアルを公開した。舞台はイタリア・シチリア島のセリヌンテ考古学公園。紀元前7世紀の古代ギリシャ時代にまでさかのぼることができる同遺跡を背景に、ブランドらしいハイパーミックスなスタイルを見せる。広告のクリエイティブ・ディレクションはアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)、撮影は19年プレ・スプリングのキャンペーンに続き、グレン・ルッチフォード(Glen Luchford)が手掛けた。
ビジュアルの着想源は、古代ギリシャで宴の後に行われていたという「音楽やダンスに興じたり、詩の朗読に耳を傾けたり、尽きないおしゃべりを楽しむ」場である“シンポジウム”。それを現代的に解釈し、若者たちがスポーツを楽しんだり、愛や政治を語り合ったりしている場面を切り取った。ドラマチックで幻想的な背景と、どこかシュールな若者たちとの対比に思わずクスリと笑いがこぼれてしまう。カリフォルニアのビーチにいそうなサーファー、パンクス、ローラーブレーダー、ボディービルダーなど、さまざまな「カウンターカルチャーの担い手である若者グループ」も混ざっており、文化やカテゴリーをミックスするブランドらしさを体現している点もポイントだ。
「グッチ」は19年プレ・スプリング・コレクションを、南仏の世界遺産、アリスカン遺跡で発表。20年プレ・スプリングは、同様にイタリア・ローマのカピトリーノ美術館で5月28日に披露する予定だ。歴史的なロケーションでショーや今回のような撮影を行うことで、文化遺産の価値を広く知らしめ、その魅力を現代や未来に伝えていくことも意識しているという。
「グッチ」公式アプリでは、自身が遺跡に立ったようなイメージを映し出せるデジタルフォトブースを含め、ビジュアルのメイキング映像や未公開シーン、スペシャルコンテンツなども見ることができる。