スポーツ専門店大手のアルペン(名古屋市、水野敦之社長)は18日、世界最大規模のアウトドア専門店「アルペン アウトドアーズ フラッグシップストア(ALPEN OUTDOORS FLAGSHIP STORE)柏店」(千葉県)を19日の開店に先駆けて関係者に公開した。7590平方メートルの広大な売り場に、450ブランド、10万点以上の商品をそろえる。アウトドアスポーツならではの“体験型”を売り物にした店作りで、広域からの集客を見込む。
大型ショッピングセンター「セブンパークアリオ柏」や大型専門店が並ぶ柏市郊外の国道16号線沿いに立地する。同社の「スポーツデポ(SPORTS DEPO)」「ゴルフファイブ(GOLF FIVE)」などが営業していた建物を改装した。
目玉はキャンプ用品を中心とした1階の売り場で、中央のウッドデッキには大小さまざまなテントを設営して実際の使用例を見せる。テント330種類、椅子320種類、ランタン200種類と圧倒的な商品量でニーズに応え、またこれらを用いたバーベキューなどのイベントも定期的に行う。調理具、食器、椅子やテーブル、各種雑貨はアウトドアスポーツをしない人でも自宅などで楽しめるようMDを工夫した。
「スノーピーク(SNOW PEAK)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「コールマン(COLEMAN)」「ロゴス(LOGOS)」は直営店と同じぐらいの広さのショップインショップを構えており、ブランド目当ての人にも分かりやすい売り場構成になっている。アパレルなどはファッション目的の需要もつかむ。
ウインタースポーツを祖業とする同社らしくスキーやスノーボード用品も通年展開し、板やブーツの修理やメンテナンスを行う工房も併設する。また、シーズンオフに顧客がスキーやスノーボード、テントなどを保管できるレンタルロッカーも設けた。
屋外エリアには「スノーピーク」と建築家・隈研吾氏が共同開発した木製のトレーラーハウスがコーヒーショップとして営業しており、芝生の上のアウトドアチェアでコーヒーを味わうことができる。
アルペンの水野社長はECの利便性が支持される今だからこそ「体験やリアルの価値を追求する売り場が大切だ」と強調する。同社はアウトドア業態「アルペン アウトドアーズ」「アルペン マウンテンズ(MOUNTAINS)」の出店を昨年4月の春日井店(愛知県)を手始めに進めている。旗艦店と位置付ける今回の柏店、26日に開店する福岡春日店(福岡県)、6月に予定する練馬関町店(東京都)で計8店の体制になる。