平成時代は世界中で不穏なテロがいくつも起き、また日本では前代未聞の自然災害が多くありました。ファッションもそういった社会情勢の影響を多大に受けているように感じます。夢を追い求め憧れをもって身に着けていた“ファッション”を、現実的な目線で“モノ”として求めるように。「人生100年時代」の到来で、年齢を多く重ねても健康で身体的な若々しさ、美しさを求める風潮が強まりました。ファストファッションの台頭により、ファッションの取り入れ方も変化してきました。今年2月にカール・ラガーフェルド氏が亡くなり、これからのファッション界は様変わりしていくかもしれません。令和時代は、東洋の精神の思考が世界を変化させていくことを期待しています。
稲葉賀恵:1939年12月18日、東京・八重洲生まれ。鎌倉、横浜で育つ。 58年横浜雙葉学園卒業、60年文化学院美術科卒業。63年原のぶ子アカデミー洋裁学園卒業後、64年オートクチュール制作のアトリエを開く。 70年、ビギを創立。同年にブランド「ビギ」を、72年に「モガ」 をスタート。81年には「ヨシエ イナバ」を開始し同年、第25回日本ファッショ ン・エディターズ・クラブ賞を受賞。88年「レキップ ヨシエ イナバ」をスタート。現在は「ヨシエイナバ」のクリエイティブ・ディレクターを務めるほか、企業の制服デザインや結城紬のアドバイザーなど、多分野で活躍している。
【業界人の「平成プレイバック」】
ファッション・ビューティ業界の若手からベテランまで「平成時代に印象に残った出来事」とは?