ファッションやビューティ企業の“買い物袋(ショッピングバッグ)”事情が変わりつつある。
今年2月、環境省の諮問機関である中央環境審議会が使い捨てプラスチックの削減戦略案の一つとして、小売店で配られるレジ袋の有料化を2020年度以降に義務化する方針を明らかにし、話題となった。日本では1年間にごみとして出されるレジ袋が300億枚と推定(環境省調べ)され、日本を含むアジアは特にプラスチックごみの発生量が多く、問題視されている。すでに環境負荷を減らすために自主的に取り組んでいる企業もあり、イトーヨーカドーなど大手スーパー各社ではプラスチック製レジ袋の供給量を減らすために有料で提供しているが、ファッションやビューティ企業にもその波が来ている。
企業による買い物袋の“脱プラスチック”の動きでは、H&Mジャパンやマッシュビューティーラボの「コスメキッチン(COSME KITCHEN) 」「ビープル バイ コスメキッチン」、ストライプインターナショナルの国内取り扱いブランド店舗がそれぞれ1枚20円と有料化した。良品計画では「無印良品 銀座」でプラスチック製の買い物袋の配布を廃止し、紙製の買い物袋の提供を試行している。また、ファーストリテイリングの「ユニクロ(UNIQLO) 」では、国内の買い物袋に環境配慮型素材の導入を検討中だ。買い物袋の“脱プラ”の取り組みを行う8企業を紹介する。
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H&Mジャパン
・日本国内の全店舗でプラスチック製の買い物袋を紙製(日本製)に切り替え
・最小サイズの紙袋は無料、それ以外のサイズは一律20円
・余剰金は海洋プラスチックごみ汚染対策へ寄付
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「無印良品 銀座」 PHOTO:SHUHEI
良品計画
・「無印良品 銀座」ではプラスチック製の買い物袋やストローの配布を廃止
・買い物袋は素材やサイズを見直した紙袋に変更
・20年には紙バッグのデポジットによる回収・返金制を導入
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ファーストリテイリング
・日本国内ユニクロでは買い物袋に環境配慮型素材の導入を検討
・欧州、香港、台湾では紙の買い物袋を使用
・韓国では生分解性プラスチックを使用した買い物袋を提供
「アース ミュージック&エコロジー」は3月から、環境に配慮した「エシカルアクション」を掲げている
ストライプインターナショナル
・5月1日から国内グループ会社の全ブランド約1600店舗で買い物袋を有料化
・小・中・大の3サイズを1枚20円
・買い物袋素材の紙製化も段階的に進める
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三陽商会
・2019年中にビニールショッパーを廃止
・現在ほとんどの店舗で紙袋を使用
・一部ブランドは今夏のセールでビニールショッパーを使い切り次第、紙袋に切り替え
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「バーバリー」のプラスチックを使用していない新パッケージ (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
バーバリー
・2025年までにプラスチック包装を廃止
・19年末までに現在使用しているハンガーやラッピング材、ポリ袋などを環境にやさしい製品に変更
・ハンガー回収プログラムを実施してリサイクルを促進
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ファンケル
・直営店全店でポリエチレン製の買い物袋の提供を廃止
・森林管理協議会が認証した環境配慮素材の紙袋を使用
・植物性プラスチックの採用や詰め替え容器の拡充など、環境に配慮した取り組みを行なっている
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マッシュビューティラボ
・「コスメキッチン 」「ビープル バイ コスメキッチン」直営店で買い物袋の無料配布を終了
・一律20円で販売
・マイバッグの利用者を増やし、自然環境や資源の保護への第一歩を目指す