百貨店大手5社の4月度売上高(既存店ベース)は、低温による衣料品の不振が響いて3社が前年実績を下回った。三越伊勢丹が前年同月比3.0%減、高島屋が同1.2%減、そごう・西武が同1.3%減、大丸松坂屋百貨店が同0.9%増、阪急阪神百貨店が同1.0%増だった。インバウンド(訪日客)がけん引するラグジュアリーブランドや化粧品、10連休の帰省需要などに後押しされた食品は好調だったものの、本来この時期に売れるはずの初夏物の服が足を引っ張った。
三越伊勢丹の基幹3店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)は、婦人服が同4.4%減、紳士服が同3.0%減だった。「寒暖差が激しく、初夏物の動きが鈍った」(同社広報)。高島屋は婦人服・紳士服ともに同6%減だった。「気温が上がらず、ブラウスやカットソーが苦戦した」(同社広報)。大丸松坂屋も婦人服・紳士服の双方が6%前後の減少で終わっている。
一方、訪日客による免税売上高は好調を維持した。大丸松坂屋は同22%増で「単月として過去最高の水準」(同社広報)、阪急阪神百貨店の旗艦店である阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)も同10%増の約34億円で過去最高記録を更新した。そごう・西武も同20%増だった。
今回の10連休(4月27日〜5月6日)は集客にとっては追い風になった。各社は北海道物産展やパン催事など集客力のあるイベントをぶつけることで、広域からの集客に努めたため、10連休の期間の入店客数は総じて増加した。改元にちなんで「令和」の文字を入れたカステラや饅頭がよく売れた。