RIZAPグループは2019年3月期(国際会計基準)で純損失193億円(前期は90億円の黒字)の赤字に転落する。構造改革費用93億円のほか、関連会社損失76億円を計上する。瀬戸健社長兼最高経営責任者は「未来に向かって前進するために、この半年で在庫圧縮や店舗の閉鎖、踏み込んだ商品の評価損など損失を確定し、膿を出し切った。20年3月期は当たり前だが、100%黒字化を実現する」と語った。20年3月期には営業利益32億円、純利益5億円を計画する。
構造改革費用93億円の内訳は店舗閉鎖が40億円、商品在庫の評価減が40億円、のれんの減損などで13億円。グループ全体で20年3月期までに219店舗を閉鎖。最大子会社であるワンダーコーポレーションで思い切った店舗閉鎖を推進し、グループ会社の新星堂で成功しているイベント型のビジネスモデルを全社に広げる。主要子会社ではネット通販専業アパレルの夢展望、撚糸と和装事業を展開する堀田丸正、ゲームセンターとフィットネス事業を運営するSDエンターテイメント、フリーペーパー発行のぱどの4社が赤字だった。
課題だったコーポレート・ガバナンスでは取締役6人のうち瀬戸氏以外を社外取締役とし、カルビー会長兼CEOからRIZAPグループに転じ構造改革をリードした松本晃氏が退任する一方、新たに元住友商事副社長の中井戸信英氏、経営コンサルティング会社の経営共創基盤の望月愛子パートナー マネージング・ディレクターを迎える(就任は6月下旬の株主総会後)。
就任当初の計画とは異なり、わずか1年で取締役を退任することになった松本晃氏は「来て思ったが、(RIZAPは)成長と膨張を勘違いしていた。いくらか贅肉が付いていた。私はより健康体にしようと構造改革のシナリオを書いただけ。短期間で瀬戸さんが実行して健康な体になった。(瀬戸社長は)実の息子と同じ年で息子のように思っていたし今も思っている。この会社に来てからはガミガミうるさい親父で、これ以上やると嫌われると思った。立場を変えることでこれからは、優しいおじいさんとして瀬戸さんをサポートしていきたい。取締役は退任するが、気持ちとしては何も変わらない」と語った。