ファッション

「ろくでなし BLUES」葛西や「クローズ」九能が集結 「テンデンス」初のアンバサダーは不良漫画の4キャラクター

 ビッグフェイスが特徴のスイスの時計ブランド「テンデンス(TENDENCE)」は5月27日、ブランドで初めて4人のアンバサダーを起用する。「型にハマらない」「ブレない」などの「テンデンス」のポリシーを体現するアンバサダーに選ばれたのは、“タフ(硬派)”な漫画界のレジェンド。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の「ろくでなし BLUES」の葛西、「月刊少年チャンピオン」(秋田書店)」で人気を博した「クローズ」の九能龍信、「週刊少年サンデー」(小学館)」掲載の「今日から俺は!!」からは中野誠、そして「週刊少年マガジン」(講談社)の「湘南純愛組!」の弾間龍二という、出版社の枠組みにとらわれない名作不良漫画から、曲げられないポリシーを持ち、強く・まっすぐ生きている4人のキャラクターを選んだ。4人は、「テンデンス」の“ガリバー ラウンド”を装着。「湘南純愛組!」の弾間は、今回のために作者の藤沢とおるが描き下ろした。また、4人のアンバサダー就任に際して、期間限定でロゴを変更。「でかく生きろや。」の文字を加えた。

 5月29日にはオンライン限定で、各キャラクターを裏蓋に刻んだ“ガリバー ラウンド”を4本セットにした時計を10個限定のコンプリートボックスに入れて販売(20万2000円)。4本の時計はそれぞれシリアルナンバー入りの100本限定(内それぞれ10本はコンプリートボックス用)で同日から予約販売を受け付ける。また、27日からは4ショットのビジュアルを表参道や新宿、池袋、大阪・梅田の駅構内で展開。“ガリバー ラウンド”を購入すると、オリジナルのフェイスタオルと時計拭きをプレゼントする(無くなり次第終了)。

 また期間中は一部店舗で6種類のステッカーを無料配布する(1人1日1枚)。

 ブランド初のアンバサダーが不良で、本当にいいのか?漫画はもちろん、不良という存在すら馴染みが薄いだろうガブリエル・ジェルミーニ(Gabriele Ghielmini)創業者を直撃した。

WWD:本当に、本当にこの“4人”が、ブランド初のアンバサダーでいいの?

ガブリエル・ジェルミーニ「テンデンス」創業者(以下、ガブリエル創業者):フツーのアンバサダーだったら絶対に投げかけられない質問から始まったね(笑)。その時点で、すでにプロモーションとして成功なんじゃないかな?「うわっ」と思われたり、嫌われてもいい。少なくとも、感情を喚起してもらうことが大事だ。もはや、皆に好かれることなんてムリだ。「万人が愛している」モノなんて、存在しない。そんなのフェイクだ。

WWD:そもそも、日本の不良を理解するのが難しいと思うが、どんな存在と捉えている?

ガブリエル創業者:ただのバッドボーイズじゃないんだよね?彼らは自分なりの生き方にこだわっていて、信念に従って生きている。でも完璧じゃないから時々ぶつかり、ケンカして、結果、バッドボーイズと思われてしまう。そんな存在だと理解した。「テンデンス」も同じ。信念があって、私たちなりの完璧を目指しているから、時計業界には理解されない時も多い(笑)。結果、業界では常に異端だ。でも、それを面白がってくれる人もいる。世界には、無数の時計ブランドがある。その中には、見向きもされず、スルーされてしまうブランドも多い。でも「テンデンス」は、少なくとも「コレ、何?」と立ち止まってもらえるブランドだ。2006年に会社を立ち上げ、07年に時計を発表したときは、「こんなに大きな時計、誰が身につけるの?」「特に日本人は小柄だから、絶対売れないよ」と散々バカにされた。でも今、日本は「テンデンス」にとって大きなマーケットだし、ブランド初のアンバサダーを選ぶまで大きな存在になったんだよ。

WWD:不良4人をブランド初のアンバサダーに任命する計画は、一度は却下されたものと聞いた。それでも日本の担当者が食い下がり、結果、実現した。今回のアンバサダーのように“頑固”な担当者だ。“頑固”な人は好き?

ガブリエル創業者:嫌いじゃない(笑)。“頑固”は欠点にもなり得るが、私にとっては長所だ。ビッグフェイスにこだわった私も相当な“頑固者”だ。メカニカルの担当者には「こんな時計、作れない」となんども言われ、2年間食い下がり続けた。散々断られた後に夢が叶うと、ものすごいパワーが生まれることも経験している。今回のアンバサダーは、時計やファッション業界のみならず、マンガの世界にも大きなインパクトを与えるだろう。

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