サザビーリーグのリトルリーグカンパニーが運営するウィメンズブランド「エブール(EBURE)」の2019-20年秋冬は、強みのコートを充実すると共に、セットアップやスカートも豊富にそろえる。現在、直営店を東京と名古屋に5店構え、同社のセレクトショップ「ロンハーマン(RON HERMAN)」全店で卸販売もしているが、19年秋には関西地区にも初出店する予定だ。
同ブランドは、サンエー・インターナショナル(現TSIホールディングス)で「ボディ ドレッシング(BODY DRESSING)」「アドーア(ADORE)」などを立ち上げてきた酒井典子が16年秋冬に開始。ファーストシーズンは販路を「ロンハーマン」に絞ってコート10型のみを販売し、本格始動となった17年春にギンザ シックスに直営1号店を出店した。18年秋は日本橋高島屋S.C.、今春は六本木ヒルズと、この間高感度な商業施設に着々と店舗を増やしており、酒井と同世代である40~50代女性を中心にファンを広げている。その勢いを象徴するように、19-20年秋冬展示会にはプレス関係者や商業施設の関係者が多数詰めかけていた。
19-20年秋冬物では、強みのコートを10月投入分までで19型企画した。18-19年秋冬は暖冬によって多くの企業やブランドからコート苦戦の声があがったが、「エブール」では「コートはほとんどセール前に消化し、足りないという声もあった」(広報担当者)。デザイン面では、昨年までの主軸だったロング丈に加え、今年は腰が隠れるミドル丈も増やしており、ボトムとのコーディネートバランスに変化をつける。素材は、上質なウールのダブルフェースやアルパカ・ウールのシャギーなど。硬く重厚になりがちなPコートも、ダブルフェースウールのリバー仕立てで、あくまでソフトに仕上げた。価格はウールのロング丈テーラードコートで11万円。
ワンピースとパンツ、コートとスカートといった、新感覚のセットアップを充実している点もポイント。通常はコートに使うようなカシミヤのダブルフェース素材でプルオーバーを仕立てたり、シルク生地をたっぷり使ってフレアスカートを作ったりと、大人ブランドならではのぜいたくさが魅力だ。