バーニーズ ニューヨークは、イタリア・ビエラのファブリックメーカー、レダ(REDA)の素材を使用したメンズウエアプロジェクトを発表した。レダを代表する100%ウールを使用して、同じビエラ出身のステファノ・ウゲッティ(Stefano Ughetti)「カモ(CAMO)」デザイナーがデザイン画を描き、バーニーズ ニューヨークのディレクションによって日本で生産したメンズのジャケット、シャツ、カットソー、パンツなどのオリジナルアイテムを販売するというもの。バーニーズ ニューヨークの竹原宏平バイヤーは「スーツ素材で有名な『レダ』のウールをカジュアルウエアに落とし込んだことがポイント。『カモ』は自然な色の使い方やシルエットの出し方がうまい。ウゲッティは類まれな才能の持ち主だ」と話した。価格はTシャツ1万8000円、ジャケット5万8000円、パンツ3万2000円などで、バーニーズ ニューヨーク全店で販売する。先ごろ来日したエルコレ・ボット・ポアーラ(Ercole Botto Poala)レダ社長とウゲッティデザイナーに話を聞いた。
WWD:2人とも来日の回数が多い。
エルコレ・ボット・ポアーラ=レダ社長(以下、ポアーラ):私は約20年前から何度も来日している。しゃぶしゃぶ、刺身、焼き鳥など和食が大好きだ。
ステファノ・ウゲッティ「カモ」デザイナー(以下、ウゲッティ):私はバカンスも含めて6回目の来日だ。これまで広島、金沢、宮古島、箱根などを訪れた。日本が好きで、いつも楽しみにしている。
WWD:お互いの出会いは?
ウゲッティ:2014-15年度の「インターナショナル・ウールマーク・プライズ」でヨーロッパ地区の候補者となった際、100%ウールのアウトフィットを制作するために、レダに素材の提供をオファーした。「レダ」はビエラにおけるモダンで最先端なファブリックメーカーとしてリスペクトしている。今回が2回目のコラボレーションとなる。
WWD:今回のプロジェクトでアピールしたいことは?
ポアーラ:レダは高級スーツを中心とした伝統的服地メーカーというイメージが一般的に強いが、モダン、カジュアル、スポーティーな表現を若い人に伝えたい。今回はウールのアプローチをスーツではなく、カジュアルウエアにフォーカスしたことが面白い。「カモ」は若年層に人気がある個性的なブランドであり、レダの新しいイメージを打ち出すには最適なパートナーだと思う。「カモ」にとっても、レダのウールを使用して新しいアプローチができたのではないか。
WWD:「レダ」の魅力は?
ウゲッティ:伝統に裏打ちされた高い品質、バラエティーの豊かさ、そしてサステイナビリティーにこだわっている点だ。
ポアーラ:私が会長を務めている素材見本市「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」でもサステイナビリティーの重要性をアピールしている。今後は商品だけでなく、商品ができるまでのプロセスが重要だ。レダは生地というより、ストーリー(プロセス)を売っているという認識だ。
WWD:今後の目標は?
ウゲッティ:私にとってもサステイナビリティーは大きなテーマ。モダンでコンテンポラリーな独自のスタイリングを追求し、メイド・イン・イタリーを世界に発信したい。