LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、再生中の「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」のブランド名を、2020年春夏シーズンから「パトゥ(PATOU)」に改称する。
同社は18年に「ニナ リッチ(NINA RICCI)」でクリエイティブ・ディレクター、「カルヴェン(CARVEN)」でアーティスティック・ディレクターを務めたギョーム・アンリ(Guillaume Henry)を「パトゥ」の新クリエイティブ・ディレクターに抜擢。ギョームによる新たなコンセプトを取り入れたロゴとイメージ動画、キャッチコピーを5月28日に披露した。
イメージ動画では女性が「パトゥ」と呼ぶ音声と共に、猫やクロスワードパズル、コートやドレスを着用したモデルたち、カクテル、ケーキなどを映しながら、フレッシュな世界観を発信している。新ロゴは過去のアーカイブに着想を得て新たにデザインされた。ギョームが手掛ける初の「パトゥ」のコレクションは、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に披露される予定だ。
創業者ジャン・パトゥは1887年フランス生まれ。23歳の若さでファッションハウスを立ち上げ、1914年に「ジャン・パトゥ」をスタート。女性に向けたシンプルなイブニングドレスやカジュアルかつシックな日常着を中心に手掛けたことで知られる。当時アメリカのメディアでは“The most elegant man in Europe(ヨーロッパで一番エレガントな男性)”と称され、1920~30年代のファッションを大きく変化させた。
36年にパトゥが48歳で亡くなった後は、義弟であるレイモンド・バルバス(Raymond Barbas)が引き継ぎ、マルク・ボアン(Marc Bohan)、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)らを迎えてブランドを存続していた。2001年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)、11年にデザイナー パルファン(DESIGNER PARFUMS)に買収され、18年にLVMHが傘下に収めた。