7年目を迎えたビームス(BEAMS)の「ビーミング バイ ビームス(B:MING BY BEAMS以下、ビーミング)」が好調だ。2019年春夏の売上高は既存店ベースで前年同期比10%増をキープしながら推移する。その要因を井上雅博ディレクターは「一つは認知度が上がったこと。出店の中心であるショッピングセンター(SC )に合わせた戦略を推進し、かつ売り上げの30%を占めるECからリアル店舗への導入がうまくいっている。加えてさまざまなブランドとの別注品も支持を集めている」と語る。
「ビーミング」はSC向けブランドとして2012年にスタートし当初はビームスを前面に打ち出していたが、ここへ来てSCの客層にマッチしたMD提案やクリーンな内装にシフトしたことで売り上げが増加。中でもウィメンズが好調で全体の売り上げの約6割を占めるまでに成長。今年4月には、初めてウィメンズ単体の店舗を福岡・天神地下街にオープンし、店舗数は合わせて24になった。
この春よく売れたのはウィメンズの春アウターと、メンズの機能素材を用いたオン・オフ両用のカジュアルスーツだ。ウィメンズの春アウターは特にマウンテンパーカが人気を集め、1週間で1000枚売れることもあったという。その後の売れ筋はニットアイテムに移行して今はワンピースやカットソーが動いている。
メンズで人気を集める機能素材を用いた洗えるスーツ“ノマド(NOMAD)”はこの春夏からスタートしたオリジナルレーベルで、価格帯はジャケットが2万6000円~、パンツが1万3000円~。「かっちりとしたスーツの売れ行きが鈍く、カジュアルなものや機能性が求められる時代に合わせて提案したところ当たった。この春夏のメンズドレス部門の売り上げは、”ノマド“の好調を受けて前年同期比20%増をキープしている」と井上ディレクターは話す。
19-20年秋冬のキーワードは“トラッド”。英国チェックのジャケットやパンツ、アランニットが印象的で、ディテールやサイズ感、スタイリングでアップデートする。
ウィメンズの強化アイテムは、ニットやダウンも含めたアウター全般だ。形、色ともにバリエーション豊富にそろえるほか、暖冬に備えて薄手のガウンコートを強化する。「去年は、寒くなる前の端境期に売るべきアイテムがなかった」と秋山実香ウィメンズ商品マネージャーは振り返る。そのほか、ニットもハイゲージから手編み風まで幅広くそろえた。
メンズの強化アイテムは昨年から人気を集めるタスマニアニット(7900円)で、型数や色を増やしてそろえる。「色と触感が好評。価格よりも高く見えると喜ばれている」と井上ディレクターは胸を張る。そのほか、軽くて伸縮性があるハイブリッドメルトンのコート(1万6000円)などをそろえる。